筋トレ前の「動的ストレッチ」のススメ!カラダのスイッチを入れろ!メニューとやり方を解説

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動的ストレッチ

「さあ今日も筋トレだ!」意気込んで始めたものの、いまいち体のスイッチが入らない。そんな経験がある人は多いのではないでしょうか。

そしてそういう日はたいてい何セットか筋トレを重ねるうちに筋肉が温まってきて、2種目目くらいから思い通りのパワーが出るようになってきます。しかしせっかく筋トレするのであれば、筋トレ開始直後からしっかりパワーを出して充実した時間にしたいところです。

このための方法にはウォーミングアップのセットを設けるとか、軽く有酸素運動をしてから筋トレを始めるとか、色々なものがあります。

ここでは紹介するのはそのうちの1つ「動的ストレッチ」です。以下ではその理論と具体的なメニューを解説します。

筋トレ前にストレッチは必要か?動的ストレッチとは!?

動的ストレッチとは、名前の通りストレッチの一種です。

ストレッチには大きく静的ストレッチと動的ストレッチがあり、静的ストレッチは運動後に行って筋肉の緊張をほぐすためのもの、一方動的ストレッチは運動前に行って体のスイッチを入れるためのものです。

しかしトレーニー(筋トレをする人)の中には「自分は筋トレの前にストレッチなんてしない」という人たちも少なくありません。何を隠そうホームトレーニー歴4年目に突入した筆者も、以前は同じ考えでした。

筋トレ前にストレッチをしなかったときの筆者の言い分は、次の3点に集約できます。

単純に面倒

筋トレにハマってしまったトレーニーの精神状態は、筋トレ前にすでに高まりきっています

。体のスイッチはともかく、心のスイッチは完全に入っていて「早く筋トレがしたい!」と盛り上がっているわけです。にもかかわらず、見た目からして地味なストレッチを最初にするなんて我慢ができません。

結果「面倒だから別にいいや」とストレッチをせずに筋トレをしてしまいます。

ストレッチをすると、パフォーマンスが下がる!?

実は「筋トレ前のストレッチは、筋トレ時の筋肉のパフォーマンスが下がる」という科学的見解があります。

しかしこの場合のストレッチは、2種類あるストレッチのうちの静的ストレッチの話。静的ストレッチを長時間(30秒以上))行うと、筋肉がほぐれてしまって力が入りづらくなるという理屈です。

ここで紹介する動的ストレッチはパフォーマンスを下げるどころか、逆に上げるストレッチです。したがって「ストレッチをすると、パフォーマンスが下がる」という言い分は全くの勘違いということになります。

目的の筋肉を温めたいなら、最初の種目でウォーミングアップのセットを組めば良い

ウォーミングアップのセットを組めば、確かに目的の筋肉を確実に温めることができます。

例えばベンチプレスのメインセット80kgに入る前に、50kgや60kgでいくらか回数をこなすというようなやり方です。この方法は多くのトレーニーも行なっていますし、実際に効果はあります。

ところが大きな問題が1つあります。

それは「重量設定・回数設定が難しい」という点です。というのもウォーミングアップの段階で必要以上に大きな重量(もしくは多い回数)を行なってしまうと、メインセットに入る前に筋肉が疲れてしまい、実力を発揮できない可能性があるのです。

この問題を解決し、かつ体のスイッチを入れる方法の1つが動的ストレッチです。

筋トレメニューの質を上げる「動的ストレッチ」の方法

ストレッチ
動的ストレッチには「相反神経支配」という人体のメカニズムを利用して、体を温めながらストレッチができるという大きなメリットがあります。

そのため静的ストレッチを30秒以上行った時のように筋肉が弛緩しすぎることもなく、かつ柔軟性を手に入れ、さらには体のスイッチをいれることもできるのです。まさに筋トレ前のエクササイズとしてもってこいといえるでしょう。

動的ストレッチが利用している相反神経支配とは、「ある筋肉が働いている(収縮している)時、その拮抗筋は収縮していない(弛緩している)という」(引用『ストレッチの科学』p67)人体のメカニズムです。

例えばひざ関節を曲げると大腿四頭筋をはじめとする太もも前部の筋肉が収縮します。このとき拮抗筋となるハムストリングなどの裏ももの筋肉は弛緩し、ストレッチされることになります。したがって裏ももの筋肉群をターゲットとして動的ストレッチを行う際は、拮抗筋である前ももの筋肉群を収縮させるというわけです。

動的ストレッチを行うときの重要な点は、第一にこの相反神経支配を意識したターゲットの筋肉と拮抗筋を意識することです。でなければ単なる軽い運動に終わってしまい、本当の効果を実感できません。

また第二にポーズをとったまま静止するような動的ストレッチの場合、静止する際に息を吐くことも重要です。

この2点を頭に入れた上で、以下の7つの動的ストレッチを実践してみましょう。

まずはこれから!おすすめ動的ストレッチメニュー7選を動画とあわせて解説

ハムストリング(裏もも)の動的ストレッチ

最初に紹介するのはハムストリングの動的ストレッチです。

ハムストリングの動的ストレッチは太もも全部のストレッチと同時に、スクワットなどの前にぜひともやっておきましょう。しっかりできるようになれば、1セット目からしっかりと重量が脚に乗る感覚が得られるはずです。やり方は以下の通り。

  1. 足裏を地面にべったりとつけた状態でしゃがみ、両手で足首を握る。
  2. 太ももを胸につけたまま、ひざ関節を伸展させていく。顔は後ろを向く形になる。
  3. ハムストリングが伸展するのを感じながら、10回×3セット行う。

ひざ関節を伸展させるには太もも前部の筋肉を収縮させる必要があります。これにより拮抗筋のハムストリングをはじめとする裏ももの筋肉群が伸びるというわけです。

このように、あくまで相反神経支配を意識して行うようにしましょう。

太もも前部の動的ストレッチ(ヒールタッチ)

続いては太もも前部の動的ストレッチ「ヒールタッチ」です。

この動的ストレッチは場所を移動しながらやっても構いませんし、広い場所がなければその場でやっても問題ありません。

  1. 直立した状態で手をお尻に添えて、手のひらを後方に向ける。
  2. この状態から右のひざ関節を屈曲させて、かかとを右手のひらに当てる。
  3. 右足が地面に着くと同時に左のひざ関節を屈曲させて、かかとを左手のひらに当てる。
  4. 左右10回×3セット行う。

この動的ストレッチはリズミカルに行う必要があるので、相反神経支配を意識するのが難しくなります。

そのため慣れるまではゆっくりと動かして、どの筋肉がどのタイミングで収縮し、その筋肉の拮抗筋がどれくらい伸展しているのかを感じるようにしましょう。

股関節の動的ストレッチ

スクワットに欠かせないのが股関節の動的ストレッチです。

股関節が柔軟になっているか、そしてしっかり温まっているかはスクワットの充実度に大きく影響してくるからです。こちらの動的ストレッチのやり方は以下の通りです。

  1. 進行方向に対して背中を向けて立つ。
  2. 後方にハードルがあるように意識して、それを跨ぎ越えるように右足を上げて後方に回す。
  3. 同じように左足も後方に回して進んでいく。
  4. これを左右10回×3セット行う。

この動的ストレッチは股関節の屈曲・外旋・外転で構成されています。

そのためターゲットとなるのはこれらの動作に関与する筋肉の拮抗筋、すなわちお尻や太ももの筋肉群です。逆方向に足を回せば、この他のお尻と太ももの筋肉群をストレッチすることもできます。

肩、肩甲骨の動的ストレッチ

チンニングやベントオバーロー、ベンチプレスなど様々な種目に関わってくる肩と肩甲骨。その動的ストレッチの1つがこちらです。

やり方は以下の通りです。

  1. 直立した状態で、手のひらを内側に返すように肩関節を内旋させる。
  2. このとき背中を丸めるようにすると三角筋後部から肩甲骨内側にかけてストレッチが感じられる。
  3. 次に手のひらを外側に返すように肩関節を外旋させる。
  4. このとき胸をはるようにすると三角筋前部から大胸筋にかけてストレッチが感じられる。
  5. 前後10回×3セット行う。

手のひらを内側に返すときは主に大胸筋が、外側に返すときは主に僧帽筋中部・下部が収縮しています。

それぞれ動的ストレッチのターゲットになっているのは拮抗筋です。

胸、肩の動的ストレッチ

先ほどの動的ストレッチよりも、胸に強いストレッチを感じやすいメニューがこちらです。

胸の種目を行う日には是非取り入れたい動的ストレッチです。やり方は以下の通り。

  1. 足を肩幅よりやや広めに開き、上体を前傾させる。
  2. 右手で左足のつま先をタッチするように体を回転させる。
  3. 同時に右手は腕を伸ばしたまま右側に回転させる。
  4. 逆側も同様に行う。
  5. 左右10回×3セット行う。

体の回転が僧帽筋中部・下部の収縮に腕の反動を加え、より大胸筋を伸展させます。あまり勢いよくやると痛める可能性もあるため、最初は様子を見ながら行いましょう。

背中、脊柱起立筋の動的ストレッチ

デッドリフトを始めとする背中の種目以外に、スクワットでも重要な役割を果たす背中の筋肉群。

この筋肉群を中心に伸展させるのがこちらの動的ストレッチです。動画の中では解剖学的な見地も説明されているので、是非そちらも合わせてご覧ください。

  1. 直立した状態で腕を下ろす。
  2. そこから万歳をするように腕を上げる。
  3. 腕が頂点に達した時に胸をはり、胸椎を伸ばすよう意識する。
  4. 腕を下ろしたら、リズミカルに再度上げる。
  5. 30秒〜1分ほど続ける。

この動作は肩関節の伸展と屈曲、そして肩甲骨の動きで構成されています。これにより上半身の多くの筋肉が動員されるため、結果背中の筋肉群の動的ストレッチに繋がるのです。

なお、腕をぐるりと後ろに回すと体の前側の動的ストレッチにもなります。

全身の動的ストレッチ(ラジオ体操)

最後に紹介するのは「国民的動的ストレッチ」とも呼べる、ラジオ体操第一です。

ここまで動的ストレッチの理論と具体例を見てきた人なら、この13個の動きからなる体操がいかに最適化された動的ストレッチなのかが理解できるはずです。

学校の先生に言われるがままにやっていた記憶は捨て去り、今は「筋トレ前の動的ストレッチの最適解の1つ」として実践してみましょう。

動的ストレッチをHIITに組み込む

HIIT
これらの動的ストレッチを短時間かつシステマティックに筋トレ前のエクササイズとして組み込んでみましょう。

そのための方法論が「最強の有酸素トレーニングか?HIITの理論・効果とやり方」の記事でも紹介したHIIT(ヒット)です。

HIITは短いインターバルを挟んで複数回の有酸素運動を繰り返すトレーニング方法で、本来は消費カロリーの増加や最大酸素摂取量の強化を目的とするもの。代表的なセットの組み方は20秒の運動と10秒のインターバルを8セット繰り返す「タバタ・プロトコロル」です。

例えばこのタバタ・プロトコルの8セットに、様々な部位のストレッチを組み込んで全身の動的ストレッチを行っても良いでしょう。あるいは「今日は胸の日だから、胸をターゲットにした動的ストレッチを8セットやろう」というふうに、その日の筋トレメニューに合わせてターゲットの筋肉を絞っても効果的です。

筆者は後者の方法を採用しており、その日の気分によってYouTubeや書籍(『ストレッチ・メソッド』という本がおすすめ)で調べた動的ストレッチを組み合わせ、筋トレ前のウォーミングアップを済ませています。

もちろんわざわざタバタ・プロトコルやHIITのメソッドに沿って動的ストレッチを行う必要はありません。しかしこの方法には「この時間を使って動的ストレッチをする」と明確に決められるため、筋トレとウォーミングアップのメリハリが明確になり、筋トレへのモチベーションがアップする効果があります。

筋トレの質を上げたい人だけでなく、「実は筋トレへの気持ちの切り替えがうまくいかない」という人にもおすすめのやり方です。

まとめ:「動的ストレッチ+静的ストレッチ」をメニューに組み込もう!

動的ストレッチは筋トレ前の体のスイッチを入れて筋トレの質を上げるエクササイズです。

一方、筋トレ後に筋肉をクールダウンさせたり、関節の可動域を維持する役割を持つのが静的ストレッチです。どちらも実践していない人はどちらか一方を取り入れるだけでも、筋トレの質は大きく変わります。

両方とも取り入れれば、なおさら大きな効果を実感できるでしょう。今回をきっかけに筋トレだけでなく、その前後のストレッチにも目を向けてみてはいかがでしょうか。

参考文献
『ストレッチの科学』
『ストレッチ・メソッド』

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