【実体験】筋トレがオーバーワークや怪我につながるのはどんなとき?前兆・症状と予防方法を解説

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オーバーワーク
「筋トレはオーバーワークになると効果が落ちる」「素人が自己流で筋トレをすると怪我をする」これから筋トレを始める人や、初心者トレーニー(筋トレをする人)のなかにはそんな話を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

ただ同時に「筋トレにオーバーワークなんてない」といった話も聞くはずです。

今回はホームジムでの筋トレ歴4年にして初めてオーバーワークと怪我を経験した筆者が、オーバーワークと怪我の実際のところを実体験をもとに解説します。

またオーバーワークと怪我を予防するための考え方や方法についても、具体的に理論やメニューを挙げながら解説します。

筋トレのやりすぎには要注意!「オーバーワーク」と「怪我」

「オーバーワーク」の大半は思い込み?

アテンション

「筋トレにオーバーワークなんてない」という話は半分本当で、半分は誤解です。というのも人間の脳と体は基本的に無理をしないように作られているため、体が悲鳴を上げるオーバーワークの境地に到達するにはよほど追い込む必要があるからです。

しかし筋トレの初心者や筋トレ歴が浅い人の多くは、そこまで追い込むことができません。これは筋肉や脳が筋トレによる刺激にまだ慣れておらず、まだまだ限界でないにもかかわらず「筋肉にこんなに強い負荷がかかるなんて初めてだ!これは異常事態だ!」とストップをかけてしまうからです。

この意味で「筋トレにオーバーワークなんてない」「オーバーワークなんて思い込み」という話は本当なのです。

これに対して、筋トレの経験を積んで、ある程度限界まで追い込むのに慣れてくるとオーバーワークに至る可能性が高まります。もちろん限界を超えようとする努力は、筋肥大を目的とする筋トレでは必要不可欠です。

しかしそれにも限度があります。必要以上の筋トレや減量のための有酸素運動を高頻度で行うと、徐々に筋肉の疲労度が高まり、最終的にオーバーワークになってしまうのです。

オーバーワークをすると以下のような症状があるとされています。

1.男性ホルモン「テストステロン」の分泌量が減り、ストレスホルモン「コルチゾール」の分泌量が増える

ストレスホルモンの分泌量が増えるということは、体が「危険だ、もうやめておけ」と指示を出しているということです。

2.筋トレを継続するモチベーションが下がる

フィットネスジムに通い始めた人が、張り切って毎日通った結果、途端に行く気がなくなって継続できなくなる現象を思い起こしましょう。

これは「やりすぎ」に対して体が拒否反応を起こしているのです。

3.慢性的な体調不良になる

オーバーワークになると筋肉痛の治りが遅くなったり、ちゃんと夜眠っても疲れがとれにくくなります。これでは本末転倒です。

「筋トレにオーバーワークなんてない」と強がっていても、実際にオーバーワークになっていればこうした症状が表れます。したがって「筋トレにオーバーワークなんてない」の半分は誤解なのです。

怪我の原因は「重量設定」と「フォーム」

筋トレで怪我をするとき、それはたいていの場合間違った筋トレをしているからです。では何を間違えるのかというと、「重量設定」と「フォーム」です。

両者は密接に関係していて、身の丈以上の重量を扱えばフォームが崩れ、反動を1回目から使うような間違ったフォームで筋トレをすれば身の丈以上の重量を扱えてしまいます。結果手首や腰、肘や膝などの関節に大きな負荷がかかって関節痛を起こしたり、おかしな角度で筋肉に負荷がかかって肉離れを起こしたりするのです。

またオーバーワークも怪我の原因になりえます。オーバーワークによりストレスホルモンが増加していたり、疲れがたまったりしていると、自然と集中力も低下します。

いつもは気にかけていたフォームのチェックも疎かになり、間違ったフォームで筋トレをしてしまう可能性が高まります。これでは怪我をしても仕方ありません。

【実体験】「オーバーワーク」と「怪我」の前兆と症状

オーバーワークの前兆は「体がずっとだるい」

だるい

筆者の場合、オーバーワークの前兆は「体がずっとだるい」でした。参考までに筆者がオーバーワークを実感する前のある日のトレーニング内容を紹介しておきます。

筋トレ

種目 重量 セット数、回数
ニーレイズ 自重 1セット目:31回
2セット目:26回
3セット目:18回
クローズスクワット 自重 1セット目:30回
2セット目:24回
3セット目:20回
バーベルフルスクワット 60kg〜90kg 1セット目:10回(90kg)
2セット目:10回(70kg)
3セット目:8回(60kg)
ボトムポーズスクワット 50kg 1セット目:12回
2セット目:10回
3セット目:9回
レッグカール 20kg 1セット目:11回
2セット目:8回
3セット目:6回
レッグエクステンション 30kg 1セット目:11回
2セット目:10回
3セット目:6回
シーテッドカーフレイズ 50kg 1セット目:20回
2セット目:15回
3セット目:13回

有酸素運動

種目 内容 時間
HIIT 以下の4種目を2サイクル×2回行う。
1.20kgのダンベルハーフスクワット
2.自重でのプッシュアップ
3.斜め懸垂4.バーピージャンプ
20秒動いて10秒インターバル。
エアロバイク 息が上がらない程度の負荷とペースで行う。
消費カロリーは250kcal程度。
30分前後
ジョギング 6分〜6分30秒/km程度のペースで走る。
消費カロリーは500kcal程度。
60分前後

もちろんこの内容でもオーバーワークにならない人もいるはずです。しかし1ヶ月ほどこのトレーニングを1日おきに続けた結果、筆者には体のだるさ以外にいくつかの症状が表れました。

仕事に対する集中力の低下

いつもは1時間で終わっていた作業が2時間以上かかることもありました。

睡眠の質の低下

JAWBONE ライフログリストバンド UP3」という活動量計で睡眠の質を管理していますが、明らかに質が悪化していました。

肌荒れ

普段はできない吹き出物が顔中に出るようになりました。サプリでの栄養管理は行なっているので、それ以外のことが原因だと考えられます。

それでもだましだまし同じ内容でトレーニングを継続した結果、想像もしないような症状につながってしまいます。

オーバーワークの代償は「突発性難聴」

難聴
その症状とは「突発性難聴」です。突発性難聴は一昔前までは入院するような病気で、早期に治療しなければ聴力を大幅に失ってしまいます。耳鼻科の先生にも「筋トレ?もってのほかです。絶対安静ですよ」と釘を刺されてしまいました。

もちろんオーバーワークが突発性難聴の直接的な原因になったとはいえません。耳鼻科の先生の診断も「原因不明」でした。ただ今まで耳鼻科にかかるような病気をしていなかったことと、今まで前述のようなハードなトレーニングをしていなかったことを考えると、オーバーワークの影響は少なくないでしょう。

怪我の前兆は「思うように動かない」

オーバーワークの症状と並行して起きていたのが、「手首の違和感」でした。この原因ははっきりしています。それは突発性難聴になる1ヶ月ほど前から始めたディップスを、間違ったフォームで続けていたからです。

ディップスは「上半身のスクワット」と呼ばれるほど重要な自重種目で、安全性の高さや負荷の大きさから多くのトレーナーが推奨しています。主に大胸筋下部と上腕三頭筋がターゲットとなります。しかし一つだけ注意点があります。

それは「手首を地面に対して垂直に保つこと」です。手首が起きた状態(手のひらが地面を向いている状態)で行うと、関節に大きな負荷がかかり、怪我の原因になってしまうからです。

筆者はこの注意点を知らずに、手首が起きた状態でディップスを行なっていたのです。これまでのウェイトトレーニングで胸や腕の筋力はあるので、ある程度の回数はできてしまいます。

しかしそのぶん手首には大きな負担がかかるので、何度かディップスをやった頃に「なんだか手首に違和感があるな……」と思うようになりました。ところが筆者は「まあ鍛えていれば治るだろう」と甘くて見て、そのままディップスを続けてしまいます。

「休んだほうがいいかな」という考えることが全くなかったわけではありません。しかしそれよりも「筋トレを休んだら筋肉が落ちてしまう」「体を動かさないと落ち着かない」という不安や焦りを優先してしまったのです。

怪我の代償は「脚以外の筋トレ禁止」

stop
結果突発性難聴になった頃には、「フライパンを持つと手首が痛む」など日常生活にも支障をきたすほどの怪我に発展してしまいます。怪我をしてみて初めて知りましたが、手首の怪我は最悪です。なぜかといえば「何も持つことができない」からです。

何も持つことができなければ基本的に全ての筋トレができなくなります。ダンベルカールやサイドレイズなどの種目はもちろん、ベンチプレスやショルダープレスの種目も手首を安定させるために関節周りの筋肉を使いますし、ショルダーシュラッグやダンベルワンハンドローイングのような種目でも関節が引っ張られると痛みが走ります。

結果、できるのはスクワットなどの脚の筋トレだけ。4年間ほぼ休みなく筋トレをしてきた筆者にとって、これは大きなストレスでした。そこに耳鼻科の先生からの絶対安静命令が下り、脚の筋トレさえもできなくなってしまいます。

筋トレを楽しく続けたいなら「オーバーワーク」も「怪我」も絶対NG

「自分みたいな素人がオーバーワークの境地に達するなんてあり得ない」「オーバーワークさえしなければ怪我の心配も必要ない」と考えていました。しかし有酸素運動も含めたトレーニングが楽しくなってくると、歯止めが効かなくなります。その結果が「オーバーワーク」と「怪我」のダブルパンチでした。

この経験から得た教訓は「筋トレを楽しく続けたいならオーバーワーク対策、怪我対策は必要不可欠」ということです。

以下では今回のオーバーワークと怪我から学び、予防方法としてそれ以降取り入れている筋トレの考え方やメニューを解説していきます。

北島達也流「オーバーワーク」の定義に学ぶこと

筋トレは1部位週1回10分で良い?

ハリウッド式 THE WORKOUT
アメリカのボディビルコンテストでの優勝経験も持つトレーナー北島達也さんによれば、日本のトレーニーの多くは「オーバーワーク」に陥っているのだそうです。

北島さんの著書『ハリウッド式 THE WORKOUT - 分単位で自分史上最高の身体をつくる 脳と身体のコネクトメソッド』には次のように書かれています。

ひとつの筋肉が最大筋力を出せるチャンスは、48〜72時間に一度、たった7秒と言われており、この「奇跡の7秒間」で受けた刺激が筋肉を最も成長させます。
引用:前掲書p25

効率的に筋肥大を狙うのであれば、この「奇跡の7秒間」に全力を出し切るためにメニューを組む必要があると北島さんは言います。そして、それ以上のトレーニングは筋肉を疲労させて回復を遅らせるだけなので、非効率的だと言い切ります。

したがって筋トレは1部位あたり1〜2種目に絞り、1種目は「奇跡の7秒間」で全力を尽くすための3セットだけ、もう1種目は筋肉の成長を促す「パンプアップ」を目的とする低負荷高回数の種目をやるだけでOK。必要な時間は10分〜15分程度です。

筋トレだけで1時間以上かけ、そこからさらに1時間程度の有酸素運動をしていた筆者のメニューは、無駄の極みだったわけです。

オーバーワークよりオールアウト

筆者の場合、筋肥大が至上目的ではなく、トレーニングそのものを楽しむことが目的です。そのため必ずしも北島さんの理論が筆者にとって正解というわけではありません。

しかし効率という切り口で自分のトレーニングを見たとき、どれだけ非効率なのかを実感するきっかけにはなりました。

北島さんの理論を一言で表現するとすれば「オーバーワーク(無理)よりオールアウト(全力)を重視しろ」です。オーバーワークと怪我を防ぐためには、多かれ少なかれ、この考え方をメニューに取り入れる必要があります。

1ヶ月の休養後の筋肉量と筋トレメニュー

ホームジム

1ヶ月休んでも筋肉量は変わらない

筆者は突発性難聴の治療期間と、手首の療養期間を合わせて、約1ヶ月間全く筋トレをしませんでした。多くのトレーナーが「筋肉はそんな簡単に落ちない」と言ってはいますが、正直筆者は「それでも少しは落ちるだろう」と思っていました。

しかし実際1ヶ月休んでみると、自分で見てもわからないほど変化はありません。むしろ休養前よりも栄養が充実しているからか体全体にハリが出てサイズが大きく見えるくらいです。脂肪はすぐ落ちる代わりにすぐつきますが、筋肉はなかなかつかない代わりになかなか落ちないのです。これは「休養すべきかどうか」を悩んだときの重要な判断材料になります。

ただし筋力は落ちます。休養明けにベンチプレスをやったとき、限界重量よりも20kg近く軽い重量にもかかわらず1回目から「重い」と感じました。とはいえこれは体が慣れていないだけなので、何度か繰り返せばすぐに重量も戻っていきます。

したがって「休養すべきかどうか」を悩んだときは、迷わず休むべきです。それこそがオーバーワークと怪我を防ぎ、筋トレを楽しく継続するための最大の対策です。

オールアウトを狙う筋トレメニュー

休養後のメニューは北島さんの理論をベースにしながら、「筋トレそのものを楽しむ」という筆者の目的に合わせるため、1部位につき3種目を設定し、全体で30分程度かかるメニューを組んでいます。

例えば胸の日のメニューは以下の通りです。

種目 セット数、回数 ポイント
ベンチプレス 3セット、6〜8回が限界の重量を扱う。 とにかく全力を出し切る。
リバースベンチプレス 2〜3セット、10回前後が限界の重量を扱う。 丁寧にゆっくりとターゲットの部位をいじめる。
プッシュアップ 2〜3セット、20回前後できるよう負荷を調整する。 パンプアップを狙う。

1回のトレーニング時間を短くすることで、特に最初の種目でオールアウトを狙っています。全身を5つの部位に分けて、週に5回筋トレし、そのうち2回は約4kmのジョギングを組み合わせています。

ジョギングをした次の日はオフにして、週に2回のオフを入れます。ただしこれはあくまで基本で、「疲れたな」と感じた場合はオフを増やします。

「大事なのは疲れることではなく、全力を出し切ること」を合言葉に、少しずつ強くなっていくのが目標です。

まとめ:筋トレを継続できれば結果はついてくる

継続さえできれば、筋トレの結果は必ずついてきます。結果は継続するための材料でしかありません。結果を追い求めるあまりオーバーワークになれば、継続ができなくなり結果も出ません。

このような事態を避けるためには、「無理をせず全力を出す」を実現する必要があります。そのための参考資料はネットや書籍にたくさんありますが、最終的な答えは自分のなかにしかありません。自分の体としっかり相談して、自分だけの最適解を見つけ出しましょう。

参考文献:『ハリウッド式 THE WORKOUT - 分単位で自分史上最高の身体をつくる 脳と身体のコネクトメソッド』

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  • この記事を書いた人
直人鈴木

鈴木 直人

筋トレ歴4年のホームトレーニー。本業はライター。新しいサプリを試すときは、まずスポーツ栄養学の専門書から入るタイプです。実際に試したトレーニングや器具の効果、食事からサプリやプロテインについて、科学的根拠をもとに初心者にも分かりやすく解説します。

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