筋トレするなら飲酒はNG?トレーニーにとってのアルコールとの正しい付き合い方

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筋トレするなら飲酒はNG?トレーニーにとってのアルコールとの正しい付き合い方

お酒は「百薬の長」と言われる反面、「健康に悪い」「太る」など様々なデメリットもあります。そのためお酒好きのトレーニーは「お酒が飲みたい」という欲望と、「カッコいいカラダを作りたい」という願望の間で頭を悩ませることになります。

トレーニーにとってお酒は飲まないに越したことはありませんが、付き合いがあったり、単に自分がお酒好きだったりして、なかなかそうも割り切れない人も多いはず。

ここでは5つの「筋トレとアルコール」にまつわる噂や説を検証しながら、トレーニーにとってのアルコールとの正しい付き合い方を解説します。

「アルコールはエンプティカロリーだから太らない」は本当か?

はてな
エンプティーカロリーという言葉を直訳すると「空っぽのカロリー」です。日本ではこの言葉をアルコールのカロリーを指して、以下のように使われることがあります。

アルコールは優先的に消費されてなかったことになるエンプティーカロリーだから、いくら飲んでも太らない。もしこれが正しければ、お酒好きのトレーニーには好都合です。しかし残念ながらこの説明はほとんど間違いです。

アルコールが優先的に消費されるのは本当です。1gあたり7kcalのアルコールは、体内に摂取されるとタンパク質や脂質、炭水化物などよりも優先的に消費され、エネルギーに変わります。この意味では確かに摂取したアルコールのカロリーは「なかったこと」になっています。

しかし1gあたり7kcalのアルコールが優先的に消費されているということは、つまり本来ならアルコールの代わりに消費されるはずだったタンパク質や脂質、炭水化物などが、消費されずに蓄積されるということです。

例えば摂取した炭水化物は、使用されたもの以外はそのまま脂肪に変わります。本来なら何かしらの形で消費されていたかもしれない炭水化物が、アルコールが優先されてしまうために体脂肪になってしまうのです。この体脂肪は「なかったこと」にはなりません。

したがって「いくら飲んでも太らない」も間違いです。

例えばファーストフードを500kcal食べながら、500kcal分のアルコールを摂取したとしましょう。単純計算でいえば、アルコールから摂取したカロリーを全て消費するまでファストフードからのカロリーは放置され、その間に大量に含まれている炭水化物や脂質は体脂肪に変わっていきます。

すなわち「アルコールはエンプティカロリーだから太らない」は明らかな嘘です。むしろエンプティーカロリーだからこそ太るといってもいいでしょう。もし最短最速でカッコいいカラダを作りたいのなら、アルコールは飲むべきではないのです。

ライザップはなぜ「ハイボール」をすすめるのか?

ハイボール
「そうはいっても付き合いがある」「今さらお酒をやめるなんて無理」という人も多いでしょう。

そのため人気パーソナルジム「ライザップ」ではクライアントに対して、「お酒をやめなくてもいい。しかし飲むのはハイボールなどに限る」と指導しているようです。

さて、これはなぜでしょうか。

例えばサントリーの名作「プレミアムモルツ」の100mlあたりの栄養素は以下のようになっています。

<プレミアムモルツ100mlあたり>
エネルギー 47kcal
タンパク質 0.4〜0.6g
脂質 0g
炭水化物 3.8g
(2017年11月19日時点)

タンパク質や脂質はほとんど含まれていませんが、糖質(炭水化物)は100mlあたり3.8gも含まれています。糖質は血糖値を上げて痩せにくい体質を作ってしまいますし、前述の通りアルコールが優先的に消費されるので、消費されなかった「プレミアムモルツ」の糖質は体脂肪として蓄積されてしまいます。

これは日本酒やマッコリのほか、甘いカクテルやチューハイでも同じです。

ではなぜ「ハイボール」なら大丈夫なのでしょうか。

それはハイボールに使われているウィスキーが、日本酒やマッコリなどの原材料の糖質が多く残る「醸造酒」と違って、糖質がほとんど残らない「蒸留酒」だからです。したがって「ハイボールなら良い」という話になるのです。

ウィスキーのほか、焼酎やウォッカ、ジン、ラムなども蒸留酒に分類されます。

ただいくら蒸留酒に糖質が含まれていないといっても、そこにオレンジジュースやコーラなどを混ぜてカクテルにしてしまえば意味がありません。ジュースには砂糖=糖質が大量に含まれているからです。

この理屈に従えば、他にもジントニックや焼酎の水割りや炭酸水割りなども飲んで良いということになります。

蒸留酒はロックやストレートで飲むとアルコール度数が強くなり、アルコールの摂取量も増えてしまいます。そうなれば太りやすくなるので、水やトニックウォーターなどで薄めたものを飲みましょう、というわけです。

アルコールはプロテインを「無駄」にしてしまう?

アルコール+プロテイン__??
ジムや自宅で筋トレをしたあと、いつものようにプロテインを飲み、そのあと晩酌をしたり、飲み会に出かけたりしてアルコールを飲むと、「プロテインが無駄になる」という噂を聞いたことがあるかもしれません。

結論からいえば、「無駄とまでは言わないが、吸収効率は下がる」というのが真実です。

これは先ほどのエンプティーカロリーの話からもわかります。すなわちアルコールに対して後回しにされるのは、タンパク質や脂質、炭水化物などの消費だけでなく、吸収も後回しにされてしまうのです。

結果、せっかく筋トレ直後のゴールデンタイムに摂取したプロテインのタンパク質も、その直後にアルコールを飲んでしまうとゴールデンタイムでもなんでもないタイミングで吸収されてしまいます。したがって無駄にはならないにせよ、吸収効率は下がるのです。

しかし「それだとプロテインがもったいないから、筋トレ後にお酒を飲む場合はプロテインを飲むのはやめておこう」と考えるのは間違いです。ゴールデンタイムにきちんとタンパク質が吸収できないぶん、他の時間にも持続的にタンパク質を供給できるように、プロテインはむしろ飲むべきでしょう。

アルコールは筋肉を「減少」させる?

アルコールは筋肉を減少させる
「アルコールは筋肉を減らす」という、トレーニーにとって身の毛もよだつような説もあります。

この説は正しく、さらには「アルコールは筋肉の合成を妨げる」という事実も存在します。

タンパク質の吸収が阻害されるのですから合成が滞っても不思議ではありませんが、実際はもっと複雑なメカニズムがはたらいています。ポイントとなるのは「コルチゾール」「テストステロン」「ビタミン・ミネラル」です。

筋肉を分解する恐怖のホルモン「コルチゾール」の促進

コルチゾール
コルチゾールは通称ストレスホルモンと呼ばれ、私たちの体が肉体面・精神面でストレスを感じると分泌されます。

コルチゾールが分泌されると私たちの体は必死にエネルギーを作り出そうとします。その結果、筋肉を分解して糖に変換し始めてしまいます。

アルコールはこのストレスホルモンの分泌を促進するとされています。もちろん目に見えて筋肉が減っていくわけではありませんが、理論上は「アルコールは筋肉を減らす」のです。

筋肉成長促進ホルモン「テストステロン」の低下

テストステロン
テストステロンは筋トレによる筋肉への刺激で分泌されるホルモンの一種で、タンパク質の合成促進・筋肉の成長促進効果を持っています。さらには骨の強化、血液の作成、動脈硬化やメタボリックシンドロームの予防、認知機能の向上など、いわば若返りの効果を持つ重要なホルモンでもあります。

若々しいカッコいいカラダを作りたいトレーニーにとってテストステロンほど重要なホルモンはないわけですが、アルコールはこのテストステロンの分泌量を低下させるはたらきも持っています。

したがって、アルコールは筋肉の合成を妨げるのです。

筋肉合成栄養素「ビタミン・ミネラル」の破壊

筋肉に重要な栄養素といえばタンパク質ですが、タンパク質だけあっても筋肉は作れません。そこにはビタミンCを始めとするビタミン群や、カルシウムやカリウム、亜鉛などのミネラル群も必要です。

しかし恐ろしいことに、アルコールを摂取するとこれらのビタミン・ミネラルを破壊してしまうのです。

アルコールによって破壊されるビタミン・ミネラルは以下の通りです。

アルコールで破壊される
ビタミン・ミネラル
ビタミン ビタミンA
ビタミンB
ビタミンC
ビタミンD
ビタミンE
ミネラル カリウム
ナトリウム
クロール
亜鉛
カルシウム
カリウム

これら3つの局面から、アルコールは筋肉に悪影響を与えているのです。

トレーニーにとってのアルコールとの正しい付き合い方

ビール

「本当にお酒じゃなければダメなのか?」を考える

まずは「そもそもアルコールをやめられないか」を考えてみましょう。お酒好きな人からすれば「そんなの無理に決まっている」と思うかもしれません。しかし全く無理ではありません。

何を隠そう筆者はかつて、ひとり酒にもかかわらず焼酎のストレートを一晩で500ml飲むほどの酒飲みでした。それが今では1ヶ月に1〜2回、それもビールかチューハイを350ml缶×2〜3本程度で十分満足できる体質になっています。

ほとんどお酒を飲まない生活になってからは筋トレの質やモチベーションも上がりましたし、何より圧倒的に減量が楽になりました。筆者は酔うと大量のおつまみを食べていたので、お酒を飲むたびにそれまでの減量の努力が水の泡になっていましたが、今では減量を決意すれば右肩下がりに体重が落ちていきます。

ではどうやってお酒の量を減らしたのかというと、「お酒が飲みたい」と思うたびに「本当にお酒じゃなければダメなのか?」と自問したのです。この問いに対して「わからない」と思ったら、水や炭酸水などカロリーもなければ体への悪影響もない飲み物を一気飲みしてみます。

すると不思議なことに「お酒が飲みたい」という気持ちがなくなるときがあります。筆者の場合、「お酒が飲みたい」というのが実は「喉が渇いた」「ビールみたいな炭酸の刺激が欲しい」だけだったのです。

この体験を繰り返していると、だんだんと「お酒が飲みたい」という気持ちの代わりに「喉が渇いたな」「炭酸水が飲みたいな」という気持ちが浮かび上がってくるようになります。結果、1ヶ月に7〜8回、しかも毎回大量にアルコールを飲んでいたのが、1ヶ月に1〜2回の少量のアルコールで満足できるようになったのです。

お酒が好きで好きでたまらないという人も、まずはこの「本当にお酒じゃなければダメなのか?」を考えてみてください。「別にお酒じゃなくてもいい」という結論に至れば、それが筋肉にとってベストです。

適量は「次の日に疲れが残らない量」

「やっぱりお酒じゃなきゃダメ」「付き合いがあるから飲まないわけにはいかない」という人は、「飲む量」について考えてみましょう。

ネットなどで調べていると「成人男性の健康的なアルコール摂取目安量は……」といった情報もありますが、これは全くあてになりません。アルコールの分解能力は遺伝や体調、普段の摂取量のほか、内臓の大きさなど個人によって大きく違います。

本格的に筋トレをしている場合は、内臓が一般人よりも大きくなっているのでなおさらです。

では何を目安にすればいいのかというと、「次の日に疲れが残らない量」です。

この量は筋トレがオフの日に飲む場合と、トレーニングの後に飲む場合、あるいは体調が良い場合と悪い場合によっても変わります。メモを取ったり、スマホで写真を撮るなどして、どんな日に何をどれだけ飲んだから次の日どうなったかのデータを集めていきましょう。

数ヶ月続ければ、自分にとっての「その日の適量」がわかってきます。

「飲んでたらそんなこと忘れてしまう」という人もいるかもしれません。しかしこのことを忘れてしまうほど飲んでいる時点で、残念ながら適量を超えています。

「何をどれだけ飲んだかなんて覚えてない」という人ほど、この方法で自分の適量を見定めることをおすすめします。

頻度が少なければハイボールじゃなくてもいい

トレーニーがアルコールを飲むときに重要なのは量だけではなく、頻度も同じかそれ以上に重要です。なぜなら一度に摂取できるアルコール量には限界がありますが、たとえ少量でも高頻度で飲んでいれば合計の摂取量はかなり大きくなるからです。

もちろん一緒に食べるものにもよりますが、筆者の体感で「深酒をした日の体重」が「深酒をする前の日の体重」に戻るのに、だいたい1週間弱かかります。

そのためこれ以上の頻度でアルコールを飲んでしまうと、体重は減らないどころか増加の一途を辿ることになります。この体感があるので、減量期の筆者はアルコールを飲む日を多くても2週間に1回程度に抑えています。

同じく筆者の体感ですが、頻度の管理をきちんとしてさえいれば、その都度「ハイボールにしなきゃ」とか「ヘルシーなおつまみにしなきゃ」と考える必要もありません。

ハイボールにしても、ビールにしても、ヘルシーなおつまみにしても、ファストフードをおつまみにしても、「深酒をした日の体重」が「深酒をする前の日の体重」に戻るにかかる日数には大差ないからです。せっかくの「お酒を飲む日」で我慢してしまうと不完全燃焼になってしまい、あまり日を置かずにお酒が飲みたくなる可能性もあります。

それなら思い切って飲みたいものを飲み、食べたいものを食べて、頻度を抑える方を優先した方が効果的です。

これはあくまで筆者の体感なので個人差がありますが、この個人差を見極めるためにも自分の適量を見定めておくべきだともいえます。筋肉がつきやすいメニューや減量しやすいメニューが個人で違うように、正しいアルコールとの付き合い方も個人で違うのです。

まとめ:「禁酒」がベスト、飲むなら「適量」

アルコールが筋肉にとってプラスの影響をもたらすことは、おそらくありません。そう考えるとトレーニーが体作りを進めるためには、やはり「禁酒」がベストの選択肢です。

しかしコンテストで優勝するようなトレーニーのなかにも、「毎日晩酌をしている」という人も少なくありません。つまりお酒を飲んでいても、カッコいいカラダは作れるのです。

大切なのは「飲む量」と「飲む頻度」。これをいかに自分にとって適正なものに保つかが、お酒を楽しみながら筋トレをするルールです。

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  • この記事を書いた人
直人鈴木

鈴木 直人

筋トレ歴4年のホームトレーニー。本業はライター。新しいサプリを試すときは、まずスポーツ栄養学の専門書から入るタイプです。実際に試したトレーニングや器具の効果、食事からサプリやプロテインについて、科学的根拠をもとに初心者にも分かりやすく解説します。

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