最強の有酸素トレーニングか?HIITの理論・効果とやり方

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HIIT
有酸素トレーニングの代表格といえばジョギングや水泳、エアロバイクです。これらは脂肪燃焼に効果があるので、食事制限や筋トレだけで体脂肪を落とし切れない場合は、トレーニー(筋トレをする人)にも必要になってきます。

しかし有酸素トレーニングは無酸素トレーニングの代表格である筋トレと比べて、格段に時間と場所が必要です。走るのが好き、泳ぐのが好きという人ならともかく、そうした運動がもともと苦手な人にとってはかなり苦痛なトレーニングでしょう。

ここではそんな人のために最短4分、長くても30分ほどで終わるうえに、通常の有酸素トレーニングよりも格段に消費カロリーの大きい「HIIT」というトレーニングを紹介します。

ダイエット・筋トレの効果を引き上げる「HIIT」とは?

HIIT

「HIIT」ってどんなトレーニング?

「HIIT(ヒット)」はHigh intensity interval trainingの略称で、高い強度(High intensity)の運動を短いインターバルを挟んで複数回繰り返す有酸素トレーニングを指します。

具体的には「1分間全力で走って30秒ジョギングまたは徒歩」を8セット以上繰り返したり、スクワットなどの「大きな筋肉を使う運動を20秒間全力で行って10秒休む」を8セット以上繰り返すようなトレーニングです。

このHIITを10分間行うだけで約200Kcalも消費するというデータもあり、100Kcal前後のジョギングやランニングと比べると2倍もの脂肪燃焼効果があるとされています。

しかもHIITを行ってから48時間後まで基礎代謝が20%アップし、何もしなくても通常時より合計800Kcal以上も多くカロリーを消費したというデータもあります。

「高強度の運動を短いインターバルを挟んで繰り返す」という原則さえ守っていれば、HIITのメニューバリエーションは無限に作ることができます。時間も場所もない自宅トレーニーにとって、HIITは非常に有効な有酸素トレーニングなのです。

有酸素トレーニングと筋トレの関係

しかし有酸素トレーニングはしばしば筋トレをして筋肥大を目指すならば、やるべきではないとも言われます。

数々のプロボディビルダーを指導してきたトレーナーであるクリス・アセートは『ボディビルハンドブック』の中で、「僕の考えでは、筋量を増やそうとしているボディビルダーは、有酸素運動をするべきではありません」と明言さえしています。

というのも低い強度で長時間行うジョギングや水泳などのトレーニングは、筋トレで鍛える太い筋繊維である速筋とは違う、細い筋繊維(遅筋)を使った運動だからです。有酸素トレーニングによって疲れた体は、筋トレで酷使した速筋と同じように遅筋を修復しようとします。

これにより最大効率での筋肥大が妨げられ、「大きくたくましい体」というよりは「細くしなやかな体」に近づいていきます。しかも長時間の有酸素トレーニングは筋肉をメインのエネルギー源にしてしまう可能性もあるため、下手をすれば筋量減にもつながります。

したがって逆三角形の男らしい体を目指している人は、本来ハードな有酸素トレーニングをするべきではないのです。

筋トレと「HIIT」の関係

ところが高強度で短時間で行うHIITは、この例外的存在です。なぜならHIITはジョギングと筋トレのうち、どちらかといえば筋トレよりのトレーニングだからです。

ジョギングを「1歩を踏み出す動作を何百回、何千回と繰り返す筋トレ」だと考えれば、ゆっくりやってもせいぜい100回程度で限界の来る自重スクワットの方が、圧倒的に高強度だということがわかるはずです。これが短い時間の中で全力で行うHIITならなおさらです。

またHIITは短い時間で終えられるので、過度な疲労はたまりません。もちろん終わった後は疲れ切っていますが、長時間の有酸素トレーニングほどには疲労が残らないのです。したがってHIITをトレーニングに取り入れても、一般的な有酸素トレーニングのようなデメリットは最小限で済みます。

「タバタ・プロトコル」とは?

日本で開発され、世界中に広まったあと、再度日本に逆輸入されたHIITに「タバタ・プロトコル」があります。

これは「20秒の全力運動と10秒のインターバル」を8セット繰り返すトレーニングです。一見するとHIITと代わり映えしないように思いますが、このタバタ・プロトコルで行うのは高強度を超えた超高強度運動です。

このトレーニングの開発者である立命館大学の田畑泉教授の著書『究極の科学的肉体改造メソッド タバタ式トレーニング』には、その具体的なトレーニング種目が18種類紹介されています。

その代表的な種目がこちらの動画でも実践されている「バーピージャンプ」です。

筆者も一度この種目だけで実践したことがありますが、8セットをむかえる頃には意識が朦朧としてきて立っていられなくなるほどハードでした。

タバタ・プロトコルはスピードスケートの清水宏保選手なども実践していて、有酸素種目のパフォーマンスはもちろん筋トレの筋肥大効果も大幅に引き上げるというデータも出ているトレーニングですが、一点致命的な問題があります。

それは「難しさ」です。日本体育大学の岡田隆准教授の著書『HIIT 体脂肪が落ちる最強トレーニング』には次のように書かれています。

(前略)実際のところ、TABATAの進化を発揮するレベルのトレーニングは、プロのトレーナーやコーチの指導かで行わないと難しい。
引用:『HIIT 体脂肪が落ちる最強トレーニング』P.54

そのため素人が、しかも自宅トレで取り入れるのは高強度の運動を繰り返すHIITが限界なのです。

とはいえHIITでも前述のような効果が得られるため、一般的な有酸素トレーニングで時間と体力を浪費するよりはよほど実用的でしょう。

自宅トレでも取り入れやすいHIITメニュー

最後に自宅トレでも取り入れやすいHIITメニューを、岡田准教授の著書を参考に4種目紹介します。

これらを組み合わせて「20秒全力運動10秒インターバル」を8セット行うと、体全体に負荷が分散されます。これにより比較的バテにくくなるうえ、特定の部位だけを酷使しないので筋トレへの影響も最小限に抑えられます。

スライドスクワット

  1. 脚を左右に大きく開いて、太ももが床と平行になるまで腰を落とす。
  2. 上体は起こし、背筋は伸ばす(骨盤を前傾させる)。
  3. 腰の高さを固定しつつ、左脚が伸びきるまで右脚に体重をのせる。
  4. 続けて右脚が伸びきるまで左脚に体重をのせる。
  5. 3と4を20秒間繰り返す。

プッシュアップバックキック

  1. 通常の腕立て伏せの姿勢になる。
  2. 上体を沈めると同時に右脚を後ろ上方に蹴り上げる。
  3. 上体を持ち上げると同時に右脚を下ろす。
  4. 逆の脚も同様に行う。
  5. 2〜4を20秒間繰り返す。

※動画は膝を浮かせていますが、これはかなりハードなので、膝をつけて行っても構いません。またHIITではもっとリズミカルに行う必要があります。

スーパーマンフライ

  1. うつ伏せになって手を前方に伸ばす。高さは床すれすれの高さ。
  2. 脚は揃えて後方に伸ばす。
  3. 息を吐きながら上体をゆっくり起こす。反動を使って起こすと腰を痛めやすいので注意する。
  4. 腕は常に耳と同じ高さに上げていく。
  5. ゆっくり元の位置に戻す。
  6. 3〜5を20秒間繰り返す。

シットアップ

  1. 仰向けになり、膝を90度〜120度に曲げて立てる。
  2. 腕を体の側面に沿わせる。
  3. 背中を丸めるようにして上体を起こす。怪我の危険があるので反動は使わない。
  4. ゆっくりと元の位置に戻す。
  5. 3〜4を20秒間繰り返す。

※強度が物足りない場合は、動画の中のバリエーションも試してみましょう。

まとめ

HIITの運動時と運動後を合わせた総消費カロリーは最大約1,000Kcalです。

体脂肪は1kgでおよそ7,200Kcalと言われていますが、これはHIITに換算すれば約7回分。週に2回HIITを行うだけでも、約1ヶ月で1kgの体脂肪が燃える計算です。

もちろん人間の体は複雑にできているため、計算通りにはいきません。しかしそうはいってもHIITの効果は小さくありません。筋トレにマンネリを感じている人、なかなか思い通りに脂肪が減らない人は、ぜひHIITを試してみてください。

  • この記事を書いた人
直人鈴木

鈴木 直人

筋トレ歴4年のホームトレーニー。本業はライター。新しいサプリを試すときは、まずスポーツ栄養学の専門書から入るタイプです。実際に試したトレーニングや器具の効果、食事からサプリやプロテインについて、科学的根拠をもとに初心者にも分かりやすく解説します。

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