筋トレの科学!プロテインの理想的な摂取タイミングとは?

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プロテインのむタイミング
筋トレ初心者におすすめのプロテインやサプリメントの効果 飲み方や飲むタイミングを解説」の記事では、プロテインを始めとするサプリメントの「飲むタイミング」について紹介しました。

この記事ではまずプロテインを習慣化することを念頭に置き、飲むタイミングにあまり神経質にならないようにとアドバイスをさせていただきました。

しかし厳密に言えばやはり飲むタイミングによって一定以上の違いが出るのが科学的な見解です。

今回は徹底した科学的な視点から、プロテイン=タンパク質を始めとする三大栄養素(タンパク質、炭水化物、脂質)の理想的な摂取タイミングについて考えます。

なお以下の内容は『実践的スポーツ栄養学』を参考にしています。

プロテインの理想的な摂取タイミングは「筋トレ直後」!

結論から言うとプロテインの理想的な摂取タイミングは「筋トレ直後」です。「筋トレ後30分以内」と言われているのは、科学的にも正しいというわけです。2001年に発表された実験結果によれば、栄養摂取のタイミングによっては吸収効率に大きな違いが出るということがわかっています。その実験とは以下の通りです。

被験者に自転車こぎ運動をしてもらったのち、直後にタンパク質10gとショ糖(ブドウ糖と果糖が合体した結晶。白砂糖や氷砂糖など)を摂取させるグループXと、3時間後に摂取させるグループYに分けます。そのうえで脚筋肉のタンパク質合成、分解、蓄積(合成−分解)について分析します。

グループ 蓄積(合成−分解)
X(直後) プラス値
Y(3時間後) マイナス値
運動していない マイナス値

すると全く運動していない状態に比べてグループXは合成、分解ともに上昇し、蓄積はプラスの値を示しました。一方、グループYは分解、合成ともに全く運動していない場合よりも低下しており、蓄積はマイナスの値を示しました。

これはつまり運動直後に栄養補給ができなければ、筋肉中のタンパク質量が運動前よりも低下してしまうということです。筋トレに置き換えれば、筋トレをしているのにもかかわらず、筋肉が減っていくという可能性がある、ということ。まさに最悪の事態です。

以上のことから筋トレでしっかりと追い込んだら、どんな状況にあっても即座にプロテインを飲むべきです。自宅で筋トレをした場合なら、筋トレ後はキッチンに直行してプロテインを飲む。気分転換にジムで筋トレした場合でも、家に着くまで時間がかかるようならプロテインシェイカーとプロテインは必携です。

またこの実験結果によれば、全く運動していないグループも蓄積の値はマイナスの値を示しています。すなわち少なくとも私たちの脚の筋肉は、何もしていなくても分解されていってしまうということです。

このことから運動直後以外でも継続的なタンパク質の摂取が必須であることもわかります。したがって筋肉を大きくしたいトレーニー(筋トレをする人)にとっての理想的なタンパク質との向き合い方は、以下の2点を満たしたものになります。

  • 1日の食事の中で何回かに分けて良質なタンパク質を摂取する。
  • 筋トレ後は速やかにタンパク質を補給する。

しかし残念ながらタンパク質だけに特化して栄養補給していても、最大効率での吸収は実現されません。カギとなるのは先ほどの実験でタンパク質とともに摂取されていたショ糖と、「インスリン」というホルモンです。

以下ではこの2つについて解説していきます。

インスリンとタンパク質の重要な関係

トレーニーはインスリンを分泌させよう!

インスリンは臓器に対して血液中の糖質を蓄えるよう促進する役割、そしてタンパク質の合成を促進し分解を抑制する役割を担っています。筋トレ後の筋肉の回復と肥大化を狙うのであれば、このインスリンをしっかりと分泌させなくてはなりません。

では何がインスリンを分泌させるのか。これがブドウ糖や果糖、ショ糖などの糖質です。

したがってタンパク質を摂取するときはお米などのブドウ糖や果物などの果糖、白砂糖などのショ糖と一緒に摂取すれば、インスリンの効果で効率的にタンパク質を筋肉に供給できます。また1998年に発表されたイヌを使った実験によれば、タンパク質と糖質を同時に摂取すると、タンパク質だけを摂取した場合に比べてタンパク質分解が抑えられることもわかっています。

注意したいのはタンパク質と糖質を同時に摂取したいからといって、甘味料たっぷりのジュースを飲んだところで効果はないという点です。

2000年に発表された実験によれば、グルコース(ブドウ糖)とタンパク質を運動直後のラットに投与した場合と、人工甘味料エリスリトールとタンパク質を投与した場合を比較すると、後者ではインスリン分泌がほとんど促進されない結果が出ています。「甘いものならなんでもいい」というわけではないのです。

したがってトレーニーがタンパク質を摂取するときは、同時に人工甘味料ではないインスリン分泌を促進する糖質を摂取することが、理想的な栄養補給方法ということになります。筋トレ直後はタンパク質合成の働きが高まっているので、特に同時摂取を心がける必要があるでしょう。

糖質を手軽に摂取したいなら「カーボドリンク」

カーボプラス
とはいえ筋トレの時間が遅くなったり、すでに食事の後だったり、もしくは追い込みすぎて食欲が出ないという場合もあります。そのような場合は糖質を手軽に補給できるサプリメント「カーボドリンク」がおすすめです。

水に溶けやすい商品が多いので、プロテインと一緒に流し込めば簡単にタンパク質と糖質の同時摂取が実現できます。コスト重視の人は白砂糖でも構いませんが、甘さが苦手な人は通販サイトで購入できる粉飴顆粒でも問題ありません。

ちなみに粉飴顆粒は無添加の味のないプロテインに味をつけることもできるので、低コストトレーニーにはもってこいのサプリメントでもあります。

筋トレには脂質も必要!理想的な摂取方法とタイミング

最後に、残る三大栄養素である脂質についても解説しておきましょう。

1gあたりのカロリーが4kcalのタンパク質と糖質に比べ、脂質は9kcalとかなりのハイカロリー栄養素です。これは菜種油であろうとオリーブオイルやココナッツオイルであろうと同じなので、いくらヘルシーオイルといっても摂取しすぎれば太ってしまいます。

とはいえ完全に脂質を絶ってもいいかといえば、そう簡単にはいきません。有酸素運動で体脂肪を燃やそうとする人はもちろん、ハードな筋トレにも脂質は必要だからです。

私たちの体は運動のための主なエネルギー源としてグルコース(ブドウ糖)と、臓器や筋肉に貯蔵しているグリコーゲンを使います。しかしこれらは運動が長時間に渡ると枯渇してしまいます。

このときに優先的に使われるようになるのが皮下脂肪や臓器、筋肉に蓄えている脂肪組織を分解した時に生じる「脂肪酸」です。

脂肪酸は筋肉へと運ばれ、運動のためのエネルギー源となります。この脂肪組織から筋肉へと脂肪酸が供給される働きを「脂肪動員」と呼びます。

有酸素運動や筋トレの質を上げるためには、この脂肪動員を滞りなく行えるような体にしておかなくてはなりません。

「脂肪動員を滞りなく行えるような体」をどう作る?

必要なポイントは2つあります。

第一に脂質を一定以上摂取しておくことです。過度に脂質をカットしてしまうと、エネルギー源としての脂質が枯渇してしまうからです。

第二にインスリンをコントロールすることです。インスリンはタンパク質合成促進と分解抑制になくてはならないホルモンですが、実は脂肪動員を抑制する働きも持っています。インスリンの分泌量が多すぎると脂肪動員がうまくいきません。

インスリンの分泌量は血液中の糖質濃度(血糖値)の変化に伴って変動し、血糖値の変化が激しいほどインスリンの分泌量の増減も激しくなります。血糖値上昇の原因は糖質摂取ですから、安直に考えると糖質の摂取を抑えればインスリンの分泌量も少なくなり、脂肪動員が増えるように思えます。

確かに脂肪動員は増えるでしょう。しかしインスリンの分泌量を抑えすぎてしまうと、インスリンのタンパク質合成促進と分解抑制の効果が得られなくなります。

しかも脂質にはインスリンの分泌を抑制する性質もあるため、エネルギー源として脂質ばかりを摂取しているとますますインスリンは減ってしまいます。これでは本来の目的である筋肉の成長が犠牲になるため、本末転倒です。

「4:3:3」と「筋トレ直後の脂質制限」で緩やかな減量を

糖質、タンパク質、脂質のバランスを見極めてインスリンの量を適切にコントロールしつつ、タンパク質に対する働きを維持する。これがトレーニーにとっての理想的な栄養摂取のあり方です。

これを実現するために色々な人が色々な方法を提唱していますが、筆者は「4:3:3」と「筋トレ直後の脂質制限」をポイントとして栄養管理を行っています。

「4:3:3」とは「糖質:タンパク質:脂質」のカロリー比のことです。この比率で食事を摂ると、インスリンの分泌を抑制しつつ脂肪動員を増やせるとされています。

総摂取カロリーを2,000kcalとした場合、「800kcal:600kcal:600kcal」となります。糖質とタンパク質が1g4kcal、脂質が9kcalとして、これをグラム比に換算すると「200g:150g:66.7g」です。脂質66.7gというとかなりの量なので、あまり過度な食事制限は必要ありません。

しかし前述のように筋トレ直後の栄養摂取では、なるべく脂質によるインスリン分泌量抑制の影響を受けたくありません。

そこで筆者は「筋トレ直後の脂質制限」を実践しています。つまり筋トレ直後に食事をする場合はできるだけ脂質をカットし、ヘルシー食を心がけるのです。

例えば卵料理などは避け、鶏胸肉を蒸したものを中心にしたり、フィレ肉を使ったあっさり系のスープをメインにしたりしています。すでに食事が済んでいる場合はプロテインとカーボドリンクを一緒に飲めば、ほぼ脂質は0に抑えられます。

1日を通じて脂質を制限していた頃よりも、確かに体重の落ちは緩やかになりました。しかし過度な食事制限はいずれエネルギー切れにつながり、最悪の場合は筋肉量の低下にもつながります。

そのようなデメリットを考えると、今の食事スタイルの方がパワーを維持しながら減量ができていると感じています。とはいえ効果や感覚については個人差が大きいため、興味のある人はぜひ一度試してみてください。

まとめ

今回はプロテインの理想的な摂取タイミングに始まり、プロテインや食事で摂取したタンパク質を効率的に筋肉に供給するための糖質や脂質の摂取方法とタイミングについて解説しました。

やや細かい話になりましたが、こうした理屈を理解しているかどうかで、栄養管理の応用力は大きく違ってきます。理想的な体を作るためには筋トレを一生懸命やるだけでは不十分で、適切な栄養管理が必要不可欠です。

ここで解説した内容をよく理解して、明日からの食事に役立ててください。

※参考文献『実践的スポーツ栄養学

  • この記事を書いた人
直人鈴木

鈴木 直人

筋トレ歴4年のホームトレーニー。本業はライター。新しいサプリを試すときは、まずスポーツ栄養学の専門書から入るタイプです。実際に試したトレーニングや器具の効果、食事からサプリやプロテインについて、科学的根拠をもとに初心者にも分かりやすく解説します。

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