筋トレに「糖質」は必要不可欠!その理由と効果的な摂取方法

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ごはん

「糖質(あるいは炭水化物)」と聞いて、みなさんはどんなイメージを持つでしょうか。最近では「糖質制限ダイエット」「糖質=ごはんを食べると太りやすい」など、まるで肥満の原因のように扱われることも多い糖質。

かっこいいカラダを目指す人にとって、もし仮に直接的に太る原因になる栄養素があるとしたら、なるべく摂取を控えたいと思いますよね。しかし実際のところ、糖質は人間の体に必要不可欠な栄養素であり、同時にかっこいいカラダを作るためにも欠かせない栄養素です。

ここではなぜ「糖質=太る」のイメージがついてしまったのか、そもそも糖質とはどんな栄養素なのかを解説しながら、太らない糖質との付き合い方について提案します。

糖質はなぜ「目の敵」になっているのか?

ダイエットを始めた理由と最初に試したダイエット方法

糖質が誤解されている理由

「糖質=太る」のイメージが定着したのは、テレビのCMや番組などで爆発的に「糖質制限ダイエット」が流行したことが原因の一つでしょう。

野菜に含まれている糖質は食べても良いことにして、お米やパン、麺類などの主食の糖質を大幅にカットすることで、多くの肥満に悩む人たちが見事にダイエットを成功させているのを見れば「糖質を控えれば痩せるんだ」と、視聴者が考えても仕方ありません。

しかしこの「糖質を控えれば痩せる」というイメージは、同時に「糖質は肥満の原因である」というイメージも植えつけてしまいます。結果、本当に糖質を過剰摂取している人以外でも糖質を制限してダイエットに励む人が増えたり、筋トレをしている人の中にも減量のために糖質制限を取り入れる人が増えたと考えられます。

ここで問題なのは「糖質を控えれば痩せる」という安易なイメージだけが先行して、糖質という人体にとって重要な栄養素についての理解が進んでいない点です。

以下では糖質の働きや種類について詳しく解説します。

糖質は「最も優れたエネルギー源」

まず糖質は、人間にとっての最も優れたエネルギー源です。人体が主なエネルギー源にしているのはタンパク質、脂質、そして糖質です。

このうち脳や筋肉などで使われるブドウ糖に最も分子構造が近い栄養素が糖質です。一方、ブドウ糖に最も遠い分子構造を持つのは脂肪。タンパク質はその中間にあたります。

したがってエネルギー量だけを見れば1gあたり9kcalを持つ脂質が一番多いのですが、エネルギー源としての効率が最も高いのは糖質なのです。

なお糖質とよく似た意味で使われる炭水化物は、厳密には糖質と食物繊維の両方を指す言葉です。食物繊維は糖質の仲間ではあるものの、人間の体では消化できません。

そのため消化できる糖質と消化できない糖質を分けるために、食物繊維を別で扱っているというわけです。

糖質の種類

食事

次に糖質は種類によって性質が大きく変わり、同時に人体への影響も変わります。

糖質には大きく3つの種類があり、それぞれ「単糖類」「二糖類」「多糖類」と呼ばれます。分子が単一のブドウ糖もしくは果糖で構成されていて、これ以上分解できないものが単糖類です。単糖類には糖質の中でも最も吸収スピードが早く、エネルギーになるのも早いという特徴があります。食べ物で言えばリンゴやバナナなどの果物が単糖類に該当します。

二糖類はケーキやビスケット、牛乳のほか、白砂糖などに含まれる糖質です。ブドウ糖もしくは果糖が2つつながった糖質で、単糖類と比べると吸収スピードもエネルギーになるまでのスピードも緩やかになります。

最後の多糖類は、3つ以上のブドウ糖もしくは果糖がつながった糖質です。お米やパン、麺類などの主食に当たる糖質は、この多糖類に分類されます。これらの食べ物が単糖類や二糖類よりもお腹持ちが良いのは、糖質の中でも最も吸収スピードとエネルギーになるまでのスピードが緩やかなためです。

糖質が体脂肪に変わる時

糖質は三大栄養素(糖質、タンパク質、脂質)の中で最も優れたエネルギー源ですが、人体はエネルギーとして使わなかったブドウ糖があると、体脂肪として蓄える性質があります。

特に単糖類や二糖類はエネルギーになるまでのスピードが早いため、「今は必要ない」と判断されるまでのスピードも早くなります。「甘いもの(単糖類、二糖類)を食べ過ぎると太る」というのは、単糖類や二糖類の単純な分子構造が原因だったのです。もちろんこれは多糖類でも同じです。

また、人間の体はブドウ糖を摂取すると血糖値(血液中に含まれるブドウ糖の量を示す数値)を上昇させます。この血糖値を正常値にコントロールする役割を担っているのが、「インスリン」というホルモンです。

筋トレの科学!プロテインの理想的な摂取タイミングとは?」で見たように、インスリンは脂肪分解抑制・タンパク質合成促進の役割も担っています。

そのため、急激な血糖値の上昇によってインスリンが必要以上に分泌されてしまうと、ますます脂肪を蓄えやすい体になってしまいます。

食べ過ぎによる体脂肪への変質、インスリンの過剰分泌による脂肪分解抑制。この2つはダイエットのために糖質制限をする十分な理由になりそうです。

しかし長い目で見ると、糖質制限は逆に理想的な体づくりの大敵なのです。

以下では糖質制限と体づくりの関係について解説しましょう。

糖質制限と体づくりの関係

糖質制限と体づくりの関係

いきなり痩せる理由は「水分」かも?

糖質制限ダイエットを実践すると、たいていの人が一週間から二週間で急激な体重の現象を実感できるはずです。テレビで「1週間でマイナス5kg!」などと謳っているのもあながち嘘ではありません。

筆者は以前に2ヶ月に渡って糖質制限ダイエットを実践しましたが、その時も1週間で3kgも体重が減少しました。しかしこれは体脂肪が減少しているというよりは、「体全体がしぼんでいる」という感覚の方が近いように思いました。

というのも糖質は水分と結びつきやすい性質があるため、糖質が不足すると細胞内の水分も減ります。結果これまで糖質を摂取していた時に取り込まれていた水分が尿などで排泄され、体重が減ったという可能性が考えられたのです。

コンテストで優勝するようなトレーニー(筋トレをする人)は、減量期に「チートデイ」といって糖質を大量に摂取する日を設けます。その時にトレーニーが必ずと言っていいほど口にするのが「筋肉の張りが戻った」というセリフです。これは糖質が水分と結びつき、筋肉に行き渡ることで細胞に張りが生むということの証拠です。

糖質制限をすれば大幅なカロリーカットになるため、体脂肪が減らないわけではありません。しかし「糖質制限ダイエットは開始してすぐに効果が出る」の裏側には、体脂肪の減少ではなく単なる水分の減少があるだけという可能性も極めて高いのです。

短期的には糖質制限ダイエットの方が効果が得やすいものの、最終的な減量幅は一般的な脂質制限ダイエットと大差ないというのが、筆者の実感です。にもかかわらず、糖質制限には理想の体づくりにとって重大な問題がいくつかあります。

以下ではそのうち2点を解説します。

問題1:糖質がなければ筋肉は成長しない

まず糖質がなければ筋肉が大きくならないという問題です。

前述したように糖質の摂取はインスリンの分泌を促進します。このインスリンにはタンパク質の合成促進効果があります。

1998年に行われた実験は、糖質とタンパク質の同時摂取によって、タンパク質の合成が効率化されたことを示唆しています。すなわち、一生懸命やった筋トレの効果を最大限にするためには、一定以上の糖質摂取は必要不可欠なのです。

問題2:糖質不足は筋トレの質を下げる

次に糖質がなければ筋トレの質が大幅に悪くなるという問題です。

冒頭で見たように、糖質は人間の体にとって最も効率の良いエネルギー源です。そのため不足すれば単純に力が出なくなります。

また脳は非常に多くのブドウ糖を消費しますが、不足すれば神経系への命令にも支障が出ます。筋トレにおける動作は多いに神経系の影響を受けるため、ここでも糖質不足の悪影響が考えられます。

もちろんコンテストを目指しているのであれば、徹底的に糖質を制限して体脂肪を落とす必要もあるでしょう。しかし緩やかな減量と充実した筋肉を実現するためには、糖質制限ダイエットにはデメリットが多いのです。

無駄のない糖質の「摂取方法」とは?

まずは「必要な糖質の量」を把握しよう

ここまでの内容で、トレーニーにとって糖質がむやみやたらに制限して良い栄養素ではことは理解していただけたはずです。

しかしそうは言っても必要以上に糖質を摂取すれば、肥満の原因になることに変わりはありません。そこでまず自分にとっての「必要な糖質の量」を把握するところから始めましょう。

「必要な糖質の量」は人によって大幅に変動するため、自分で計算する必要があります。ヒントとしては「筋トレの科学!プロテインの理想的な摂取タイミングとは?」で紹介した三大栄養素4:3:3の法則や、細野恵美さんが提案する「タンパク質:糖質=1:3」の法則などがあります。

どのような理論が自分の体に合うかは、残念ながら試してみなければわかりません。納得のいく理論を実践しつつ、試行錯誤を繰り返してみてください。

一目で三大栄養素を把握!最強アプリ「myfitnesspal」

myfitnesspal

「必要な糖質の量」を決めたら、次はその通りに食事を調整します。そのときに便利なのが、アンダーアーマーが運営しているカロリー管理アプリ「myfitnesspal」です。

このアプリはあらかじめ食事の内容と栄養素を入力しておけば、あとはその都度食事内容を選択するだけでカロリー計算と栄養素計算をしてくれます。ビタミン群やミネラル群の入力欄もありますが、筆者は三大栄養素だけに絞って入力しています。

myfitnesspal画面

このアプリが凄いのは、栄養素の摂取量や摂取割合をわかりやすく視覚化してくれる点にあります。これなら特定の栄養素の摂り過ぎを簡単に防止できます。

高GI食品と低GI食品を使い分けよう

白米
またGI値の知識も、効果的な糖質摂取には必要です。

GI値とはグリセミック・インデックスのことで、摂取してから体内でブドウ糖に変化し、血糖値が上がるまでのスピードを示す値です。

GI値が高いほど急激に血糖値が上がり、低いほど緩やかに血糖値が上昇します。したがって高GI値の食品であればインスリンが大量に分泌され、低GI値の食品であればインスリンの分泌量を抑えることが可能です。

高GI値の食品の代表が白米や食パン、うどんやパスタなど、一方低GI値の食品の代表が玄米やそば(そば粉含有量の多いもの)、オートミールなどです。

インスリンを大量に分泌させたいときは高GI値の食品を食べ、それ以外のときは低GI値の食品を食べる。このように使い分ければ、体脂肪が増える原因を極力抑えられるはずです。

筆者の場合は普段の食事は玄米を摂取し、筋トレ直後の栄養補給のときだけ、吸収速度の速いカーボドリンクとともにプロテインを飲んでいます。

ちなみに血糖値は急上昇すると急下降する性質がありますが、これは仕事などへの集中力の低下にもつながるとされています。そのため、高GI食品と低GI食品を使い分けは理想の体づくりだけでなく、日常生活にも十分効果が期待できます。

まとめ

糖質は決して理想の体づくりの敵ではありません。むしろ適切な量を摂取すれば、大きな味方になってくれる栄養素です。

糖質に対する認識を改めるとともに、ここで紹介した考え方や方法を使って、糖質の力を最大限利用していきましょう。

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参考文献
『一流アスリートの食事 勝負メシの作り方』
『実戦的スポーツ栄養学』

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