ディップスができない初心者必見!効果を高める「正しい」やり方と回数を大胸筋・上腕三頭筋など部位別に解説

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ディップス
ディップスは「上半身のスクワット」とも呼ばれるほど、多くの筋肉を一度に使う筋トレです。

しかしそのぶん多くの関節の動きを伴うため、いきなり初心者がチャレンジするのには難しい筋トレでもあります。

また自分の全体重を使う筋トレですから、やり方を間違えると怪我の原因になる可能性もあります。

ここではディップスの効果を確実に引き出すための正しい知識とやり方を解説します。ディップスをマスターして、メニューに取り入れましょう。

ディップスの効果 大胸筋に上腕三頭筋、三角筋前部にも効く!

まずはディップスが持つ効果を解説していきますが、その前に前提となるディップスの基本的なやり方を説明しておきます。

  1. チンニングスタンドのディップスバーなどを用意する。
  2. ディップスバーを握り込み、体を浮かせる。
  3. このとき、手首は返さずに起こす。
  4. 上体を軽く前傾させる。
  5. 脚は後方に曲げ、位置を固定する(スタートポジション)。
  6. ゆっくりと肘を曲げ、体を下ろしていく。
  7. 肘が直角になる位置を目安に、その位置まで体を下ろす。
  8. ゆっくりとスタートポジションに戻る。
  9. 動作中、できるだけ常に前腕は地面に対して垂直になるようにする。
  10. 6〜9を繰り返す。

以下ではこのやり方を前提として、メインとなる筋肉と補助的な効果が期待できる筋肉について解説します。

ディップスで狙うのは大胸筋下部と上腕三頭筋への効果

ディップスで鍛えられる筋肉のうち、メインとなるのが大胸筋下部と上腕三頭筋の2つです。

ディップスで鍛えることができる大胸筋

大胸筋
大胸筋は肋骨から肩の前部に向けて伸びている筋肉ですが、このうちディップスで使われるのは主に大胸筋の下部となっています。理由はディップスが体の下方向に向かって腕を押し出す動作だからです。

大胸筋は胸全体に広がる筋肉なので、腕を上に押し出す時、前に押し出す時、下に押し出す時でそれぞれ動員される筋肉が少しずつ変わります。

上に押し出す筋トレにはインクラインダンベルベンチプレスやショルダープレス、前に押し出す筋トレにはベンチプレスダンベルフライ、そして下に押し出す筋トレにはディップスやディクラインベンチプレスが挙げられます。

ディップスでは安全に上腕三頭筋を鍛えられる

上腕三頭筋
上腕三頭筋は肘を伸ばすことで使われる筋肉です。ディップスでは体を下ろしていく際のスピードのコントロールと、スタートポジションに戻るために肘を伸ばしていく際に使われます。

上腕三頭筋を鍛える筋トレはたくさんあります。例えばトライセップスキックバックや、ライイングトライセップスエクステンションなどです。

ではディップスで上腕三頭筋を鍛えるメリットは何なのでしょうか。答えは「安全性」です。

確かに先ほど紹介した動画のやり方では、全体重を使ってディップスを行なっているため、負荷は非常に強いものになっています。

しかしディップスは複数の筋肉を同時に使ういわゆる「多関節種目」なので、大胸筋をはじめとする上腕三頭筋以外の筋肉にも負荷が分散されています。

そのため強い負荷をかけながら、安全に上腕三頭筋を鍛えられるのです。ただしもともとの負荷が全体重ですから、無茶をすれば怪我につながるため、その点は注意が必要です。

三角筋前部・前鋸筋にも補助的な効果がある

ディップスで鍛えられる筋肉のうち、補助的な効果が期待できるのが三角筋前部と前鋸筋の2つです。

ディップスで鍛えることができる三角筋前部

三角筋
三角筋前部は肩の前についている筋肉で、腕を下から上に回す時に動員されます。日常生活では歩くために腕を振るときや、バンザイをするときなどに使われます。

三角筋前部はディップスの動作の中では上体をやや前傾させた姿勢を維持するために使われるほか、体を下ろしていく際のスピードのコントロールと、スタートポジションに戻る際に使われます。

一見するだけではわかりにくいかもしれませんが、ディップスの動作をその場でやってみて、そのまま腕の動きを延長させていくと、バンザイのポーズになるはずです。

このことからディップスの動作で三角筋前部が使われていることがわかります。

後ほど詳しく解説しますが、三角筋前部は小さな筋肉なので、ディップスのような高負荷の筋トレをする際は怪我をしないよう注意が必要です。

ディップスで鍛えることができる前鋸筋

前鋸筋ぜんきょきん
前鋸筋は、そもそも初めて聞いたという人も多いかもしれません。

「ぜんきょきん」と読むこの筋肉は、肋骨から肩の前に向かって伸びているインナーマッスルで、腕を前にグッと押し出す動作をサポートするために使われます。

ボディビルの選手などの胸の下に肋骨のような筋が見える場合がありますが、あれは肋骨ではなくて前鋸筋の筋です。

ディップスでは基本的に最初から最後まで腕を押し出しておかなくてはならないため、前鋸筋も最初から最後まで使われ続けます。

かといってこの筋肉が異常に大きくなることは稀で、ボディビルの選手などでも脂肪を落としてある程度体脂肪率が減ってからでないと目に見えることはありません。

ただベンチプレスをはじめとする他の筋トレのサポートにも役立つため、鍛えておけば必ずボディメイクの役に立ちます。

胸か腕かどちらを狙う?部位別「ディップスの正しいやり方」

上半身の多くの筋肉を一度に鍛えられるディップスですが、大胸筋下部を狙うのか上腕三頭筋を狙うのかによって、少しずつやり方に違いがあります。

以下では部位別にディップスの正しいやり方のコツを紹介します。

ポイント

  • 大胸筋下部狙い・・・前傾姿勢
  • 上腕三頭筋狙い・・・垂直の姿勢

大胸筋下部狙いのポイントは「前傾」

大胸筋下部を狙う場合のポイントは体を前傾させるという点です。

筋肉が使われるのは、筋肉を構成している筋繊維の方向に体を動かしたときです。大胸筋下部の筋繊維は肋骨の下の方から肩の前に向かって上側に伸びています。

そのため肩の前の部分を肋骨の下の方に向かって強く引きつけるとき、大胸筋下部の筋肉に最も強い負荷がかかるのです。

筋トレはこうした「目的の筋肉に最も強い負荷がかる動作」に体重なり、ダンベルなりを使って負荷をかけるエクササイズです。

ディップスで言えば負荷とは体重です。そのため大胸筋下部を効果的に鍛えるためには、体重が大胸筋下部の筋繊維の方向にかかるようにする必要があります。

大胸筋下部狙いのディップスが体を前傾させるのは、このためです。したがって、前傾させすぎる必要はありません。

あくまで大胸筋下部の筋繊維の方向、つまり肋骨の下の方から肩の前のラインが地面に対して垂直になるような角度に傾けることが大切です。

上腕三頭筋狙いのポイントは「垂直」

上腕三頭筋を狙う場合のポイントは体を垂直に維持する点です。

ディップスの負荷である体重を上腕三頭筋にかけるためには、まずもう一つのメイン部位である大胸筋下部への負荷を軽くする必要があります。

大胸筋下部を含む大胸筋は基本的に腕を前に押し出す動作で使われますから、ディップスでの大胸筋下部への負荷を軽くするには、腕を前に押し出さないようにする必要があります。

体を垂直に維持するのはこのためです。もちろん肘を曲げる以上、ある程度前傾するのは仕方ありませんが、できるだけ垂直を意識するだけで上腕三頭筋への負荷がアップするはずです。

なお体を後傾させればさらに上腕三頭筋への負荷がアップします。

これは「インポッシブルディップス(不可能なディップス)」という名前がついているほど強度の高い筋トレなので、ディップスに慣れていない人は挑戦することさえおすすめしません。

ディップスでよくある失敗とその対策

冒頭でも触れたように、ディップスは比較的難しい筋トレです。

そのため「やり方はわかっているはずなのに、なぜかうまくいかない」「正しいやり方でやっているつもりなのに、怪我をしてしまった」という人も少なくないのではないでしょうか。

以下ではディップスでありがちな失敗とその対策について解説します。

体が揺れてしまって、安定しない

ディップスでありがちな失敗の一つ目は体を下ろしてから、スタートポジションに戻る際に体が振り子のように揺れてしまって、揺れが収まるまで次の動作に移れないというケースです。

体が揺れるパターンは大きく2つあります。

体が揺れてしまう原因

  • 体を持ち上げると同時に上体を起こしてしまって、その反動が揺れにつながっている。
  • 体を持ち上げると同時に脚を振り上げてしまって、その反動が揺れにつながっている。

これらの解決策は非常にシンプルで、上体も脚もしっかり固定した状態でゆっくりと動作を行うだけです。

筋力が足りないと無意識に反動を使いがちですが、少し意識するだけで変わるので、ぜひ試してみてください。

手首を痛めてしまう

ディップスでありがちな失敗の二つ目は手首の怪我です。これは筆者が実際にやってしまった失敗で、その怪我が原因で3週間ほとんどの筋トレをストップせざるを得ませんでした。

手首は脚の筋トレ以外では基本的に使うので、怪我には細心の注意を払う必要があります。

ディップスで手首を痛める原因は、手首が返ってしまっている(手の甲が上を向いている)からです。

冒頭でも解説しているように、ディップスの基本は手の甲を横に向けて、手首を立てることです。

しかしそのことを知らなかったり、あるいは手首の筋力が足りずに手首を立てていられなくなったりすると、怪我をしてしまいます。

知らなかった人は意識すればいいだけですが、手首の筋力が足りない場合はまず手首の筋力をつけるところから始める必要があります。

ディップスに効果的な手首の筋トレについては、このあと紹介します。

肩を痛めてしまう

ディップスでありがちな失敗の三つ目は肩の怪我です。肩も手首と同じくらい多くの筋トレで使う部位ですから、くれぐれも怪我には注意が必要です。

前述したようにディップスでは三角筋前部を使いますが、この筋肉は小さな筋肉なので油断をすると怪我につながってしまいます。

原因として考えられるのは2つのパターンです。

1.体を前傾させすぎて、三角筋前部に負荷をかけすぎている

体を強く前傾させて行うディップスの動作は、ディップスというよりも体操選手などが行う「プランシェ(腕立て伏せの状態から足を浮かせて腕のみで体を支える技)」に近い動作になります。

これは三角筋前部に非常に強い負荷がかかる種目で、正しく行うには三角筋前部の強い筋力が必要です。結果肩を痛めてしまうのです。

このパターンの解決策としては、メインのターゲットである大胸筋下部もしくは上腕三頭筋をより強く意識し、これらの筋肉にしっかり負荷がかかる体の角度をみつける方法が効果的です。

2.体を下ろしすぎて胸や腕から負荷が逃げてしまい、三角筋前部に強い負荷がかかってしまう

左右の肩甲骨がくっつくほど体を下ろしてしまうと、大胸筋下部や上腕三頭筋に力が入りづらくなり、三角筋前部に強い負荷がかかるようになります。

この負荷を支えきれるような筋力が三角筋前部にあれば別ですが、それがなければ怪我をしてしまうというわけです。

このパターンの解決策としては、シンプルに体を下ろしすぎないこと、そして大胸筋下部や上腕三頭筋に力が入らないと思ったらすぐに足を地面につけることです。

この2つを意識していれば、肩の怪我を未然に防げるはずです。

ディップスができない初心者のための3ステップ

ディップスの効果も理解し、部位別の正しいやり方も理解し、失敗の原因と対策も理解した。でもそもそも筋力不足でディップスができない。どうやったらできるようになるのだろう?

そんな悩みを抱えている人も、焦ることはありません。少しずつ筋力を鍛えていけば、必ずディップスはできるようになります。

以下では現時点でディップスができない初心者のために、3ステップの筋トレメニューを紹介します。一つずつ確実にクリアし、怪我なくディップスができるようになりましょう。

ステップ1:プッシュアップ

まずはディップスで使う筋肉のうち、最も大きな大胸筋を鍛えていきましょう。

正確にはディップスで使われる筋肉は大胸筋下部ですが、全体を鍛えていけば自ずと下部の筋力も備わってきます。

  1. 手を肩幅に開き、手とつま先だけで体重を支える。
  2. このとき肩と手は垂直の位置になるようにする。
  3. 頭からかかとは一直線になるようにする(スタートポジション)。
  4. ゆっくりと肘を曲げ、体を下ろしていく。
  5. 胸が軽く床に触れるまで下ろす。
  6. ゆっくりとスタートポジションに戻る。
  7. 4〜6を繰り返す。

プッシュアップは大胸筋がメインの種目ですが、肘の曲げ伸ばしも動作の中に含まれているため、同時にステップ2でメインになる上腕三頭筋を鍛えることもできる、まさに一石二鳥の筋トレです。

まずはプッシュアップで20回×3セットを目指しましょう。

なおプッシュアップができない場合は、まずプッシュアップができるようになる必要があります。

「腕立て伏せができない初心者」におすすめの筋トレ5種類!器具を使ったやり方・コツまで徹底解説にできるようになるまでの方法を紹介しているので、参考にしてください。

ステップ2:クローズプッシュアップ

プッシュアップの20回×3セットをクリアしたら、次は手幅を狭くしたクローズプッシュアップ(ダイアモンドプッシュアップ)に挑戦しましょう。

この種目は大胸筋を鍛えつつ、より上腕三頭筋に強い負荷をかけることができます。

クローズプッシュアップが20回×3セットできるようになるころには、かなりディップスができる体に近づいているでしょう。

ステップ2.5:ナックルプッシュアップ

手首の筋力に不安のある人は、クローズプッシュアップと並行してナックルプッシュアップ(拳立て伏せ)を行うと筋力を強化できます。

やり方は通常のプッシュアップの手を拳にするだけですが、体重を拳の面ではなく、指の付け根の点にかけるようにするとより効果的に手首を強化できます。

ただしやりすぎると手首を痛める可能性もあるので、セット数は2セットを上限として、回数も無理のない範囲で少しずつ増やしていくようにしましょう。

最初は5回×2セットを目標に設定し、最終的に15回を2セットできれば十分です。

ステップ3:ネガティブディップス

最後のステップはディップスに最も近い形であるネガティブディップスです。

ネガティブディップスはディップスの前半部分だけ、つまり体を下ろしきるところまでを行うディップスです。

下ろし切ったところから体を持ち上げるちからは必要ないため、筋力がなくても挑戦することができます。

ポイントはなるべくゆっくりと体を下ろすこと、そして体を下ろしきってから次の動作に入るまでの時間をできるだけ短くすることです。

このポイントを守りつつ15回×2セットを目指しましょう。この目標を達成したら、いよいよディップスに挑戦です。

なお、この種目だけでは押し出す筋力は鍛えられないため、並行してプッシュップやクローズプッシュアップを行うようにしましょう。

まとめ:正しいやり方でディップスをマスターしよう

効果的な筋トレには色々な方法がありますが、どのような筋トレ方法でも「継続すること」「怪我をしないこと」は大前提です。

さもなければせっかく手に入れた筋肉も筋力も、全部なかったことになるからです。

ディップスは非常に効果の高い筋トレである反面、怪我のリスクも高い種目です。

正しいやり方でディップスをやること、筋力不足でそれができない場合はまず筋力を鍛えること。この2つを肝に命じて、ディップスをメニューに取り入れていきましょう。

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  • この記事を書いた人
直人鈴木

鈴木 直人

筋トレ歴4年のホームトレーニー。本業はライター。新しいサプリを試すときは、まずスポーツ栄養学の専門書から入るタイプです。実際に試したトレーニングや器具の効果、食事からサプリやプロテインについて、科学的根拠をもとに初心者にも分かりやすく解説します。

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