最大の原因はフォーム!いくらやっても意味がない「効かない筋トレ」

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最大の原因はフォーム!いくらやっても意味がない「効かない筋トレ」
ダンベルやバーベルも購入して、一生懸命自宅で筋トレをしているものの、どうにも狙った筋肉に負荷がかかっている気がしない。別の筋肉が先に疲れてしまって、狙った筋肉を追い込めない。

そんな悩みを抱えているホームトレーニーも多いのではないでしょうか。

それはもしかすると「効かない筋トレ」ばかりを一生懸命やっているのかもしれません。効かない筋トレになる原因はいろいろありますが、その最たるものはフォームです。

ここでは筋トレにおいていかにフォームが重要なのかを確認したうえで、胸・背中(広背筋)・腹・腕・尻・脚それぞれの部位について効かない筋トレになる原因とその原因に関係のある種目、そしてその解決策を解説します。

効かない筋トレの最大の原因は「フォーム」

効かせるための筋トレ 4つの基本

筋肉博士として知られる筋肉研究の第一人者、東大の石井直方教授は著書『効く筋トレ・効かない筋トレ 体脂肪を落とす・締まったカラダをつくる』の中で、筋肉にしっかりと効かせるための筋トレの基本として以下の4点を挙げています。

ポイント

  1. チーティングを使わない
  2. エキセントリック収縮をゆっくりと行う
  3. 稼働域を広くする
  4. 重さ・回数にこだわる

チーティングを使わない

チーティングとは反動などを使って重りを挙げるテクニックを指します。

筋トレの停滞期を打破せよ!効果抜群のトレーニング方法4選とメニューへの組み込み方でも紹介しているように、確かにこのテクニックはうまく活用すればよりハードに筋肉を追い込めます。

しかし安易に使うとターゲットの筋肉から負荷が抜けてしまい逆に追い込めなくなってしまうテクニックでもあります。そのためチーティングは使わないのが基本です。

エキセントリック収縮をゆっくりと行う

エキセントリック収縮とは「下ろす動作」の時に起きる筋肉の収縮のことで、逆に「挙げる動作」の時に起きる筋肉の収縮はコンセントリック収縮と呼ばれます。

一般的に人間の筋肉はコンセントリック収縮よりもエキセントリック収縮で強い力を発揮するため、下ろす動作をゆっくりと行うことで筋肉の最大限の力を引き出すことができます。

そのためより強い刺激を筋肉与えるためにはエキセントリック収縮をゆっくりと行う必要があるのです。

稼働域を広くする

稼働域を広くするのは、狙った筋肉を最大限ストレッチするためです。

筋肉を大きくするためには一度筋繊維を壊す必要がありますが、筋線維はストレッチすればするほど壊れやすいとされています。

そのため各関節の稼働域を目一杯使うことが、効かせる筋トレの基本となります。

重さ・回数にこだわる

筋肉を成長させるためには、筋肉をしっかりと追い込む必要があります。そのための基準となるのが重さと回数です。

石井教授は著書『石井直方のトレーニングのヒント』の中で、「筋肉を太くするためにちょうどいい重さはどこかと言うと、70%から80%とされています」と書いています。

この70%〜80%という数字は、1回で限界の重量に対する%のことです。

つまりベンチプレスで90kgを挙げられる人にとって、筋肉を太くするためにちょうどいい重さは63kg〜72kgということになります。

これは計算上1セットあたり8回〜12回挙げられる強度とされています(8RM〜12RM)。筋肉を大きくすることを目的とする場合は、このように重さと回数にこだわる必要があるのです。

石井教授が挙げる4つの基本のうち、「チーティングを使わない」と「稼働域を広くする」の2つがフォームに関係するものです。

つまり効かせる筋トレにおいてフォームの重要性は全体の実に50%を占めているのです。このことから、筋トレにおいてフォームがいかに重要かがわかります。

フォームを改善するための方法

ではどうすれば一人で筋トレをするホームトレーニーが、自分のフォームを改善できるのでしょうか。筆者が実践した方法は以下の5ステップです。

ポイント

  1. まずはフォームのコツを理解する。
  2. フォームを意識したうえで、筋トレの様子を動画に撮る。
  3. 自分でチェックしたうえ、SNSに投稿する。
  4. 筋トレをしている人のコメントなどを踏まえ、改善点を探る。
  5. 改善点を踏まえたうえで、次回の筋トレに生かす。

この方法で重要なのは、最初のステップであるコツの理解です。これを理解していなければフォームの改善には繋がらず、コメントの内容が的を得ているかどうかも判断できません。

そのため何よりもまず、コツを理解しておく必要があるのです。

そこで、以下では胸・背中(広背筋)・腹・腕・尻・脚のそれぞれについて、効かない筋トレになる原因とその原因に関係のある種目、そしてその解決策を解説していきます。

自分の弱点のところだけを読むもよし、確認の意味も込めて全部を読むもよし。ぜひフォームのセルフチェックに役立ててください。

部位別「効かない筋トレ」になる原因

肩甲骨

胸の筋トレが効かなくなる主な原因は肩甲骨が寄せられていない、もしくは寄せが甘い場合です。

関係がある種目はバーベルベンチプレス、ダンベルベンチプレス 、ダンベルフライなど胸の種目全般です。

なぜなら胸部に最も大きな筋肉である大胸筋に負荷をかけるためには、腕を内側から外側に動かす動作が必要です。

この際に関与するのは肩の関節です。

しかし肩甲骨が寄せられていないとこの関節の稼働域が狭くなり、大胸筋をしっかりとストレッチさせることができません(試しに肩甲骨を思い切り開いた状態で肩関節を動かしてみてください)。

加えて動作中肩甲骨が動いてしまって寄せが甘くなるということは、大胸筋以外の筋肉を使ってしまっているということです。これも大胸筋への負荷を弱める原因になります。

この問題を解消するには、何よりもまず動作中の肩甲骨の寄せを意識するべきですが、それだけでは不十分な場合もあります。

なぜなら肩甲骨をしっかりと寄せるためには、肩甲骨周りの柔軟性がある程度必要だからです。そのため筋トレ前に肩甲骨のストレッチを行うのがおすすめです。

やり方は次の通りです。

  1. 両手を地面につき、肩の真下に来るように置く。
  2. 地面を押すようにして肩甲骨を開く。
  3. 深呼吸をしながら10秒静止する。
  4. 今度は胸を突き出して、肩甲骨を思い切り寄せる。
  5. 深呼吸をしながら10秒静止する。
  6. これを4〜5回繰り返す。

このストレッチは肩甲骨周りの筋肉を温めると同時に、「肩甲骨を寄せる」という意識づけを強めてくれる効果があります。

そのため胸の筋トレ前に行うと、動作中に肩甲骨への意識が持ちやすくなります。

効かない原因 関係のある種目 解決策
肩甲骨が寄せられていない。 ベンチプレス
ダンベルフライ など
筋トレ前に肩甲骨ストレッチを行う。

背中(広背筋)

背中(広背筋)の筋トレが効かなくなる大きな原因も、肩甲骨にあります。しかし背中の筋トレの場合は「寄せる」のではなく、「下げる」が重要です。

関係があるのはチンニングやベントオーバーローイング、ワンハンドローイングなどです。

なぜなら肩が上がってしまうと広背筋ではなく僧帽筋に負荷が逃げてしまい、背中の広さを作るための広背筋への負荷が弱まるからです。

また筋肉は付け根同士の距離を最大限引き離し、最大限近づけるという動作を行うことで稼働域を最大化できます。

広背筋は二の腕を付け根から背中の下部に向かって広がっている筋肉なので、肩甲骨が上がってしまうと(肩をすくめてしまうと)稼働域を最大化できません。

これも肩甲骨が下げられないことで、広背筋に効かなくなる理由です。

この問題の解決策もやはり肩甲骨のストレッチになります。大胸筋の場合は前後に肩甲骨を動かすストレッチでしたが、広背筋の場合は上下に動かすストレッチが効果的です。

  1. 直立し、両手を真上に挙げる。
  2. 思い切り肩をすくめて、肩甲骨を上に動かす。
  3. 深呼吸をしながら10秒静止する。
  4. 今度は肘を曲げて思い切り肩を下に引き下げ、肩甲骨を下に動かす。
  5. 深呼吸をしながら10秒静止する。
  6. これを4〜5回繰り返す。

またワンハンドローイングに限っていえば、動作中に体を開いてしまうと、これも効かない筋トレになってしまいます。

これをすると広背筋が十分収縮しなくなるためです。この問題は、胸を下方に向かって張り、体を開かせないようにすれば解決できます。

なお、この「胸を張る」という動作は肩甲骨を挙がりにくくするために効果的な動作なので、ぜひ試してみてください(肩をすくめた状態で胸を張ろうとしてみてください)。

効かない原因 関係のある種目 解決策
肩甲骨を下げられていない。 チンニング
ベントオーバーローイン など
筋トレ前に肩甲骨ストレッチを行う。
体を開いてしまっている。 ワンハンドローイング 胸を下方に突き出すイメージを持つ。

腹の筋トレが効かなくなる主な原因は、「背筋が伸びている」と「上体を起こしすぎている」の2点です。

関係のある種目は腹部の種目全般で、シットアップやクランチ、レッグレイズなどです。

なぜなら腹部の代表的な筋肉である腹直筋は、体幹部の屈曲(背中を曲げる動作)が主な役割だからです。

これ以外の動作をしても、腹直筋は使われません。

つまり背筋を伸ばしたままシットアップをしても背中を曲げる動作が行われていないので腹直筋には効かず、上体を起こしすぎて体幹部ではなく股関節の屈曲になってしまうと、やはり腹直筋には負荷がかからないということです。

もしなんとなく腹の筋肉に効いているような気がしても、それは腹直筋に効いているのではなく、その深層にある腸腰筋という筋肉に効いているだけの可能性が濃厚です。

この問題は今説明した腹直筋の役割を理解したうえで、背中を曲げる動作を意識すると同時に、それ以外の動作を行わないようにすれば解決できます。

その感覚が筋トレの中で実感できない場合は、一度立った状態で腹直筋に触れながら背中を曲げる練習をしてみましょう。

これを筋トレ前にしておけば、どこからどこまでが腹直筋を使う動作なのかがわかりやすくなるはずです。

効かない原因 関係のある種目 解決策
背筋が伸びている。 シットアップ
クランチ
レッグレイズ など
・腹直筋の役割を理解し、体幹を折り曲げるイメージを持つ。
・立った状態で動作の練習をする。
上体を起こしすぎている。 シットアップ
クランチ など
・腹直筋の役割を理解し、体幹以外の関節を使わないように意識する。
・立った状態で動作の練習をする。

ダンベルと腕

腕の筋トレが効かなくなる原因は、主に3つあります。

  • ①肩甲骨を下げられていない
  • ②肘の位置が固定できていない
  • ③収縮が弱い

このうち①と③はダンベルカールやバーベルカールなどの主に上腕二頭筋の種目、②は上腕二頭筋の種目に加えてトライセップスエクステンションやフレンチプレスなどの上腕三頭筋の種目に関わってきます。

上腕二頭筋にしろ上腕三頭筋にしろ、腕の筋トレは肘関節を曲げ伸ばしする動作がメインです。

しかし上腕二頭筋の筋トレの時に肩をすくめて肩甲骨が挙がると主に僧帽筋に負荷が逃げてしまいますし、上腕三頭筋の筋トレの時に肘が動くと主に広背筋に負荷が逃げてしまいます。

また上腕二頭筋の収縮が弱いということは稼働域を最大化できてないということなので、筋トレの効果が下がってしまいます。

①の問題を解決するには、広背筋の時のようにストレッチをする方法もありますが、腕の場合は肩の力を抜き、肩を落とす意識を強めるだけでも効果があります。

②の問題については、結局のところ僧帽筋や広背筋の力を借りなければ扱えない重量を扱っているケースが多いため、重量を調整してフォームを固めるところからやり直します。

③の問題は手首を外側にひねり、同時に力こぶを前腕で押しつぶすイメージで肘を曲げ切ることで解決できます。

効かない原因 関係のある種目 解決策
肩甲骨を下げられていない。 ダンベルカール
バーベルカール など
始める前に肩の力を抜き、肩を落とす意識を強める。
肘の位置が固定できてない。 ダンベルカール
バーベルカール
トライセップスエクステンション
フレンチプレス など
肘の位置が固定できる重量で練習する。
収縮が弱い。 ダンベルカール
バーベルカール など
手首を外側にひねり、同時に力こぶを前腕で押しつぶすイメージで肘を曲げ切る。

尻の筋トレが効かなくなる主な原因は、スタンスが狭さにあります。

大でん筋をはじめとする尻の筋肉の役割は、脚を後方に蹴り出すことにあります。

例えば走っているときは前に出した足で地面を蹴るとき、階段を上るときなら前に出した足で体を引き上げるときに使われます。

この状態をブルガリアンスクワットやランジ、ヒップスラストなどの尻の種目で作り出すには、ある程度スタンスを広く取る必要があるため、狭いスタンスで行うと尻に効きにくくなるのです。

この問題の解決策はシンプルにスタンスを広げることですが、人によってはスタンスを広げるとまた尻に効かない筋トレになる場合もあります。

というのも股関節の柔軟性が足りないと、スタンスを広くとったときにしっかりと腰を落とせなくなるからです。

実際かつての筆者は股関節が非常に固く、ランジを行うと先に股関節の前が痛くなって尻の筋肉を追い込みきれませんでした。

そのため柔軟性を解決するために尻の種目の前に股関節のストレッチを行うようにしています。

ストレッチによって股関節周りの筋肉を温めておくだけでも、動作を行うときの尻への効きは大きく変わります。ぜひ試してみてください。

効かない原因 関係のある種目 解決策
スタンスが狭い。 ブルガリアンスクワット
ランジ
ヒップスラスト など
スタンスを広げる。柔軟性が足りない場合は、筋トレ前にストレッチを行う。

バーベルスクワット

脚の筋トレが効かない原因は、単純にストロークが浅いからという場合があります。これは特にスクワットに影響します。

ここまで見てきたように稼働域を最大限使わない筋トレは、効果が大きく下がってしまいます。

しかしスクワットの場合、取扱重量が大きくなることと、深くしゃがむことによって取扱重量が大きく下がることなどが影響して「大きな重量を扱うために浅いところまでしかしゃがまず、そこから持ち上げてしまう」というケースが見られます。

この問題を解決するには、分不相応な重量選択をやめ、太ももが床に対して平行以上に沈むまで(パラレルスクワット)腰を落とせる重量にする必要があります。

筋肉を成長させるには、正しいフォームが維持できる重量を扱うことが大切です。くれぐれもその点を忘れないようにしましょう。

効かない原因 関係のある種目 解決策
ストロークが浅い。 スクワット パラレルスクワット以上に腰を落とせる重量を選択する。

正しいフォーム習得には試行錯誤が必須

筋トレが効かなくなる原因を把握し、フォームのコツを理解しても、それを実際の動作に反映させるのはそう簡単ではありません。

しかしこればかりは練習と失敗を繰り返し、試行錯誤の中で身につけていくほかありません。

その試行錯誤がどんな結果になれば失敗で、どんな結果になれば成功なのかを確認する方法については、筋トレで効果がでない理由とは?間違ったやり方になっていないか確認する5つの方法で詳しく説明しているので、こちらも参考にしてください。

そうした試行錯誤に時間をかけたくないという人には、パーソナルトレーニングもオススメです。パーソナルトレーニングのメリットとデメリットについては、自宅筋トレ歴4年の男が感じたパーソナルトレーニングのメリットとデメリットで紹介しているので、よければこちらも参照してください。

筋トレで結果を出すために必要なのは、自分にとって一番正しい方法を選択して、それを継続することです。これらの記事がそのためのヒントになれば幸いです。

  • この記事を書いた人
直人鈴木

鈴木 直人

筋トレ歴4年のホームトレーニー。本業はライター。新しいサプリを試すときは、まずスポーツ栄養学の専門書から入るタイプです。実際に試したトレーニングや器具の効果、食事からサプリやプロテインについて、科学的根拠をもとに初心者にも分かりやすく解説します。

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